アンディーブとはチコリとも呼ばれるほろ苦さが特徴の野菜です。火を通したアンディーブはフランス家庭料理の定番。バターとオレンジのまろやかな酸味と仕上げに加えたメープルシロップの甘味がたまりません。フランス料理研究家の上野万梨子さんに、フランスならではの料理とお菓子を教えてもらいました。
甘味の加減はアンディーブから出た苦味とのバランスで調整する。
オレンジ果汁は100%オレンジジュースでもOK(甘さで砂糖を加減すること)。
スパイスをきかせるならクローブを加えてもおいしい。
アンディーブ | 3個 |
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レモン | 1/6個 |
バター | 20g(食塩不使用) |
オレンジ果汁 | 120ml |
塩 | 適量 |
砂糖 | 小さじ1 |
水 | 適量 |
ベーコン | 2〜3枚分(薄切りを半分に切る) |
メープルシロップ | 小さじ1〜2 |
アンディーブは縦4つ切りにし、アク止めのためにレモンと塩少々を加えた湯で約2分下ゆでする。
切り口を下にして網を敷いたバットに並べ、水気をきる。
浅鍋にアンディーブを並べ、バター、オレンジ果汁、塩、砂糖、さらにやっとかぶる程度の水を加えて中火にかける。
アクが出てきたらすくい、紙で落とし蓋をして弱火で20分蒸し煮にする。
仕上げに、ベーコン、メープルシロップを加え、さっと火を通して器に盛る。
東京生まれ。大学時代より料理研究家の飯田深雪氏に師事。料理家を志し、パリに留学する。1976年、ル・コルドン・ブルー・パリ校卒業。帰国後の77年、東京の実家にてフランス料理教室をはじめる。80年、「オムレツやスープもフランス料理です」というメッセージをこめた初めての著書『シンプルフランス料理』(文化出版局)を上梓。重厚なイメージだったフランス料理を日本の家庭に普及させた功績は大きい。基本の上にたつ自由な発想の料理と、新しい時代を開く料理家としての生き方で人気を博す。多くの雑誌やテレビなどの媒体で活躍するなか、91年、パリ左岸に自宅を移す。以来、日本とフランス、二つの国の食と生活文化に関わる企画・編集・発信を続ける。『WA-fumi, à la rencontre des saveurs du Japon』(Flammarion)、初の書き下ろしエッセイ『パリのしあわせスープ 私のフランス物語』(世界文化社)、『アペロでパリをつまみ食い』(光文社)、『小さなフランス料理の本』(NHK出版)など著書多数。
※この記事の内容は、『技あり!dancyuバター』に掲載したものです。
文:瀬川 慧 撮影:武田正彦