イタリア語で「牛肉を薄くスライスする」という意味のタリアータ。室温に戻した塊肉にオイルを少しずつかけながらじっくり焼いて好みのレア感に仕上げます。おもてなし上手と評判の料理家の小堀紀代美さんに、ゲストに喜んでもらえるちょっとしたご馳走レシピを教わりました。
どんな料理でおもてなししよう?と悩んだら「レストラン風のコース仕立て」や、「鍋料理中心」など、テーマを決めると楽しくなります。クリスマスや忘年会、大晦日にお正月といったイベントが多いこの季節は、ちょっとだけ華やかさも意識したいところ。そこで今回、おもてなし上手の小堀紀代美さんが提案してくれた一つのテーマは、空想国籍ビストロ。「たとえば中近東料理のフムスに、地中海あたりの国にありそうなレンズ豆を使ったサラダ。イタリアの牛肉料理タリアータに、フランスの田舎料理クラフティ、さまざまな国で愛されているコリアンダーシードやマスタードシードを使ったビーツのマリネ。どこかの国にあったらいいなと思うラインナップです」と小堀さん。
そしてワインにも合う和食献立は、日本酒からワインまで楽しめるおしゃれな居酒屋風に。和食っぽい雰囲気だけど、ブルーチーズを使ったソースをかけた焼き白菜などの変わりダネが新鮮な印象。「チーズは日本の食材とも相性がよいので、ぜひ試してみて。香りのいい胡麻を炊き込んだご飯と、旬の牡蠣を使った汁物で〆れば、お腹も気持ちもほっこり落ち着きますよ」
牛もも肉 | 600g(ステーキ用) |
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塩 | 小さじ1 |
ローズマリー | 2~3枝 |
にんにく | 1片分(つぶす) |
★ オレンジアンチョビソース | |
・ アンチョビ | 2枚分(たたいてつぶす(*)) |
・ オレンジの果汁 | 小さじ2~3 |
・ バルサミコ酢 | 大さじ3 |
パルミジャーノ・レッジャーノ | 6~7切れ(ピーラーなどで薄くスライス) |
EXV.オリーブオイル | 適量 |
粗挽き黒胡椒 | 適量 |
オレンジの皮 | 適量 |
★ サラダ | (お好みで) |
・ トレビス | 2枚 |
・ クレソン | 1束 |
・ オレンジの果汁 | 少々(もしくはレモン汁) |
・ オリーブオイル | 小さじ2 |
・ 塩 | ひとつまみ |
・ 粗挽き黒胡椒 | 少々 |
*またはアンチョビペースト小さじ1/3
バルサミコ酢を鍋またはフライパンに入れて1/3量になるまで煮詰め、アンチョビとオレンジの果汁を加えてよく混ぜる(熟成している濃厚なバルサミコ酢の場合は、煮詰めないでOK。オレンジ、アンチョビなしでも可)。
牛肉に塩をふり、フライパンを弱火で熱して煙が出てきたらオリーブオイル少量をひき、牛肉を入れて焼く。すべての面を1~2分ずつ、表面がふっくらして弾力が出てくるまで焼く。写真の厚さの肉で合計25~30分ほどかかる。ローズマリーとにんにくを鍋に加え香りをつける。
牛肉を厚さ7~8mmに切り、①のソースをかけ、チーズをのせる。オリーブオイルをかけ、胡椒をふり、オレンジの皮を削りかける。
トレビスとクレソンは水に浸けてシャキッとさせてから食べやすい大きさにちぎり、しっかり水気を拭く。ボウルに入れ、オリーブオイルをからめて、塩、オレンジの果汁またはレモン汁をふり、胡椒をふって混ぜる。
料理勉強家
レストランのマダムからカフェ「LIKE LIKE KITCHEN」の料理担当を経て、現在は同名の料理教室を主宰。気持ちはいつも『料理勉強家!』。楽しくをモットーに、テレビ、雑誌などにレシピを提供。近書に『ライクライクキッチンの旅する味 予約のとれない料理教室レッスンノート』『ごはんにかけておいしい ひとさライス』など。
※この記事の内容は、『四季dancyu 2022秋』に掲載したものです。
文:藤井志織 撮影:山田 薫