大原千鶴さんの「今宵のあて」
ねぎで蒸し上げるふんわりしっとり「牡蠣ねぎバター」

ねぎで蒸し上げるふんわりしっとり「牡蠣ねぎバター」

鍋物、炒め物、フライなど、いろいろな調理法や味つけで楽しめる牡蠣は今が旬。ふっくらとした身を味わうなら、蒸し焼きがお薦めです。白ねぎとの組み合わせや、バター醤油味はお酒のあてにぴったりの仕立て。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

味のベースはバター醤油。白ワインでスキッと味わう

せっかく立派な牡蠣を手に入れたのに、調理したら縮んでしまってガッカリということはありませんか?牡蠣は焼いても揚げても美味しいですが、蒸し焼きにするとふっくら。火入れに失敗がなく、牡蠣がふんわりと仕上がります。

つくり方は簡単で、白ねぎをオリーブオイルで炒め、上に牡蠣を並べてワイン蒸しにするだけ。牡蠣に片栗粉をまぶすことがポイントで、このひと手間でバターと醤油の味が牡蠣によくからみ、身が縮まず、つるんとしてふんわり。とろとろのねぎと一緒にいただくと、甘味が増し、思わず唸ってしまう美味しさです。レモンの皮や果汁、黒胡椒を足すだけでさらに味変し、すっきりとした味わいに。よく冷えたシャルドネが、牡蠣にもバター醤油にもぴったり寄り添います。

牡蠣ねぎバターのつくり方

材料材料 (2人分)

牡蠣6個(約250g)(大きめ)
★ 塩水
・ 水600ml
・ 塩大さじ1
白ねぎ 1本(100g)
オリーブオイル小さじ1
ひとつまみ
片栗粉適量
バター10g
白ワイン小さじ1
薄口醤油小さじ1/2
レモンの皮少々(すりおろす)
黒胡椒少々(粒)
レモン適量(搾りやすい形に切る)

1下準備

塩水を入れたボウルに、牡蠣を加えてサッと洗い、ペーパーを敷いたバットにのせて水気をきる。白ねぎは斜め薄切りにする。

2白ねぎを炒める

スキレットに①の白ねぎを入れてオリーブオイルと塩をふって中火にかけ、しんなりするまで炒める。

3牡蠣を蒸し焼きにする

②の上に片栗粉を薄くまぶした①の牡蠣、バターをのせ、白ワインをふって蓋をして、弱めの中火で蒸し焼きにする。

牡蠣を蒸し焼きにする

4仕上げる

牡蠣がぷっくりしたら蓋を外してざっと混ぜ、薄口醤油を回しかけて火を止める。器に盛り、カットしたレモンを添える。お好みでレモンの皮とつぶした黒胡椒をふって、レモンをギュッと搾る。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。