おつまみの脇役としてたびたび登場する長芋。生で食べることが多いですが、すりおろしたものを焼くと違った食感が生まれます。粉を使った生地とは異なり軽くて、ふんわり。トロっとした舌ざわりはやみつきになる美味しさです。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。
生のままいただける長芋は、おつまみに便利な食材です。すりおろしたものを焼くと、生とは違う食感になります。粉は使わず長芋だけなのでヘルシーで、罪の意識なく粉もの気分を味わっていただけます。
美味しさのポイントは具材の桜海老と卵の白身。桜海老は色がきれいで、いい旨味になってくれ、おかげで調味が簡単。卵白を入れると生地がふんわりとし、ふわトロの海老味の焼きとろろが出来上がります。
今回はエッグベーカーで焼いていますが、ココットなどの耐熱容器でも大丈夫です。焼き上がったら、残っている卵の黄身をトッピングしてください。卵と青海苔、白胡麻で美味しさが増し、桜海老の香ばしさがどこまでも日本酒に寄り添ってくれます。微発泡の日本酒がお薦めです。卵黄を崩し、からめながらチビチビどうぞ。
長芋 | 正味80g |
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卵 | 1個 |
桜海老 | 大さじ1 |
薄口醤油 | 小さじ1/2 |
塩 | ひとつまみ |
胡麻油 | 少々 |
青海苔 | 少々 |
白胡麻 | 少々 |
長芋は皮をむいてすりおろす。卵は黄身と白身に分ける。
ボウルに①の長芋と白身を入れて混ぜ、桜海老、薄口醤油、塩、胡麻油を加えて混ぜる。
エッグベーカー(耐熱容器)に②を入れて、1200Wのオーブントースターで4~5分間ほど焼く。
表面がこんがりと焼けたら取り出し、①の卵黄をのせ、青海苔を添え、白胡麻をふる。卵黄を崩しながらいただく。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ