大原千鶴さんの「今宵のあて」
桜海老が旨味の素!熱々を味わう「焼きとろろ」

桜海老が旨味の素!熱々を味わう「焼きとろろ」

おつまみの脇役としてたびたび登場する長芋。生で食べることが多いですが、すりおろしたものを焼くと違った食感が生まれます。粉を使った生地とは異なり軽くて、ふんわり。トロっとした舌ざわりはやみつきになる美味しさです。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

ふわふわトロトロの生地にシュワシュワの日本酒スパークリングが寄り添う

生のままいただける長芋は、おつまみに便利な食材です。すりおろしたものを焼くと、生とは違う食感になります。粉は使わず長芋だけなのでヘルシーで、罪の意識なく粉もの気分を味わっていただけます。

美味しさのポイントは具材の桜海老と卵の白身。桜海老は色がきれいで、いい旨味になってくれ、おかげで調味が簡単。卵白を入れると生地がふんわりとし、ふわトロの海老味の焼きとろろが出来上がります。

今回はエッグベーカーで焼いていますが、ココットなどの耐熱容器でも大丈夫です。焼き上がったら、残っている卵の黄身をトッピングしてください。卵と青海苔、白胡麻で美味しさが増し、桜海老の香ばしさがどこまでも日本酒に寄り添ってくれます。微発泡の日本酒がお薦めです。卵黄を崩し、からめながらチビチビどうぞ。

焼きとろろのつくり方

材料材料 (1~2人分)

長芋正味80g
1個
桜海老大さじ1
薄口醤油小さじ1/2
ひとつまみ
胡麻油少々
青海苔少々
白胡麻少々

1下準備

長芋は皮をむいてすりおろす。卵は黄身と白身に分ける。

下準備

2生地をつくる

ボウルに①の長芋と白身を入れて混ぜ、桜海老、薄口醤油、塩、胡麻油を加えて混ぜる。

3焼く

エッグベーカー(耐熱容器)に②を入れて、1200Wのオーブントースターで4~5分間ほど焼く。

4仕上げる

表面がこんがりと焼けたら取り出し、①の卵黄をのせ、青海苔を添え、白胡麻をふる。卵黄を崩しながらいただく。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。