アメリカの楽しい家庭のおやつ
"インサイドアウト・キャロットケーキクッキー"その2レシピ

"インサイドアウト・キャロットケーキクッキー"その2レシピ

様々な食文化と歴史的背景がからみ合い、形づくられてきたアメリカの郷土菓子。日本ではまだなじみが薄いけれど、ぜひ知ってほしい魅力的なものがたくさんあります。各地の郷土菓子に魅せられた菓子文化研究家の原亜樹子さんが、お薦めのアメリカ菓子の物語とレシピをご紹介。今回は「インサイドアウト・キャロットケーキクッキー」のつくり方編です。

インサイドアウト・キャロットケーキクッキーのつくり方

にんじんの自然な甘さを生かしたキャロットケーキを、クッキー仕立てにしたおやつです。キャロットケーキは日本でも大人気ですが、インサイドアウトキャロットケーキクッキーの形になったものはまだあまり見かけません。ぜひ試してくださいね。肩肘はらずに作れる素朴なケーキやクッキー、クイックブレッドなど、アメリカの家庭で古くから受け継がれてきたおやつを得意とする菓子文化研究家の原亜樹子さんに教わりました。

材料材料 (5個分)

<クッキー生地>
にんじん1/4本(約50g)
卵黄1個分
卵白10g
A
 ├ 薄力粉90g
 ├ 重曹小さじ1/6
 ├ シナモンパウダー小さじ2/3
 ├ 塩小さじ1/6
 └ くるみ40g(ローストして粗く刻む)
レーズン30g
バター50g (食塩不使用)
ブラウンシュガー50g(またはきび砂糖)
バニラオイル少々
<フィリング>
クリームチーズ100g
レーズン40g
ブラウンシュガー10g(またはきび砂糖)
シナモンパウダー小さじ1/4

◇下準備
・バターを1㎝角にカットし、クリームチーズ、卵とともに常温にもどしておく。
・【A】の薄力粉と重曹を合わせてふるう。
・オーブンを190℃に予熱する。

1下ごしらえをする

にんじんは皮をむいてすりおろす(シュレッダーチーズ状に)。生地に使うレーズンは熱湯に5分浸して柔らかくする。ザルにあげて冷まし、キッチンペーパーで軽く水気をおさえる。

下ごしらえをする

2バターと砂糖を混ぜる

ボウルにバターを入れてゴムベラでなめらかになるよう混ぜる。ブラウンシュガーを加えてさらに混ぜる。

バターと砂糖を混ぜる

3卵とバニラオイルを加える

卵黄と卵白を混ぜたものを数回に分けて加え、そのつどなめらかになるよう混ぜる。バニラオイルを加える。

卵とバニラオイルを加える

4全部を混ぜる

【A】の材料を一気に加える。練らないようゴムベラで底から返しながら大きく混ぜる。粉が残っている状態で1のにんじん、レーズン、くるみを加え混ぜる。

全部を混ぜる

5天板に並べる

天板にオーブンペーパーを敷き、4の生地をアイスクリームディッシャー、またはスプーン2本を使って10等分にしてのせる。

天板に並べる

6成形する

少量の水を付けた指先で直径5.5cmに広げる。中央を少しへこませるようにすると、きれいな形に焼き上がる。2cmほど間隔を空けて並べる。

水をつける

7オーブンで焼く

190℃のオーブンで12~14分焼く。周囲に焼き色がつき、中心を押すと少し柔らかいくらいまで焼く。網に取り、冷ます。

オーブンで焼く

8フィリングをつくる

ボウルにクリームチーズを入れてゴムベラで練り、ブラウンシュガー、シナモンパウダーを加えて練り混ぜる。なめらかになったらレーズンを加える。

フィリングをつくる

9サンドする

クッキーの半量(5枚)の裏面に8をのせ、残りのクッキーでサンドする。

サンドする
完成
ケーキの上にぬるはずのクリームを「インサイドアウト=あべこべ」にしたことから名付けられました。サクッと軽やかな生地の中から、シナモンとレーズンが香ります。1個ずつラップで包み、冷蔵庫でひと晩落ち着かせると生地がさらにしっとり。朝食にもぴったりです。

教える人

原亜樹子 菓子文化研究家

原 亜樹子 菓子文化研究家

日米の高校を卒業後、大学で食をテーマに文化人類学を学ぶ。国家公務員から転身し、アメリカの食を中心に取材や執筆、レシピ製作を行う。『アメリカ郷土菓子』(PARCO出版)、『アメリカンクッキー』(誠文堂新光社)など著書多数。https://haraakiko.com/

文:鈴木美和 撮影:鈴木泰介

鈴木 美和

鈴木 美和 (ライター)

大学卒業後、出版系の会社に就職したものの、世界中の料理が食べたくなってバックパッカーに転身。約1年間、アジアとヨーロッパ各地を放浪する。帰国後にフードライターとして独立。中華、フレンチ、イタリアンを中心に、寿司やスイーツも好きという雑食系です。現在は子育てのために千葉県・房総に移住。地元の新鮮な旬の食材を使って料理をするのが日々の楽しみ。