生ハムのおつまみといえば、パンにのせたり、サラダやサンドイッチが定番。洋風のメニューを思い浮かべますが、ご紹介するのは生ハムで巻いた小さなおむすび。ご飯との組み合わせでおつまみになるの?お酒は和の気分?洋の気分?お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。
生ハムとご飯。意外な組み合わせで、ご飯で呑めるの?と思われがちですが、実はハムとご飯はとても相性がいいんです。ポイントは、温かいご飯でつくること。おむすびの上に生ハムをのせると脂がとろっとなって、ご飯にしっとりとなじみます。
生ハムは海苔のような存在で、ご飯に香りをつけるイメージです。頬張ると、口いっぱいに熟成感のある肉の香りがひろがり、ご飯に混ぜ込んだ木の芽の香りを引き立てます。私はご飯が大好きなので、ご飯もあてにして、呑んでます(笑)。ハムエッグをのせることもあって、こちらも美味しいですよ。
お薦めのお酒は生ハムと相性の良い、程よい渋みと甘味があってほのかな酸味が感じられる、赤の微発泡ワイン。ランブルスコがお薦めです。おむすびに合うの?と、まだ半信半疑な方。騙されたと思ってお試しください。
ご飯 | 100g |
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生ハム | 適量(約2枚) |
木の芽 | 少々 |
塩 | 少々 |
木の芽は刻み、生ハムは食べやすい大きさに手で裂く。
ボウルに温かいご飯を入れ、木の芽と塩を加えて混ぜ、一口大のおむすびをつくる。
器に②を並べ、上に①の生ハムをのせる。あれば木の芽の葉少々(分量外)をあしらい、生ハムでおむすびを巻きながらいただく。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ