北イタリアの家庭料理
ほろ苦さがアクセントの大人の味わい"トレビスのリゾット"

ほろ苦さがアクセントの大人の味わい"トレビスのリゾット"

野菜の旨味がたっぷりと詰まったブロードを使えば、ヘルシーかつ満足感たっぷりの一皿になります。乳製品や米、生ハムといった特産品を使ったしっかり旨味のある北イタリアの家庭料理を、料理家の山内千夏さんに習いました。

“トレビスのリゾット”のつくり方

冬はリゾットもよく食卓に登場。トレビスの穏やかな苦味と赤ワインの風味が大人の雰囲気を醸し出す一皿は、ヴェネトやフリウリ、トレンティーノなど北東部でおなじみの味。人が集まるときに人気のごちそうです。

材料材料 (4人分)

米*1240g
トレビス1個分(約250g)(3~4cmのざく切り)
玉ねぎ1/2個分(みじん切り)
野菜のブロード700ml~
赤ワイン120ml
パルミジャーノ・レッジャーノ50g
バター*245g(食塩不使用)
生クリーム50ml
EXV.オリーブオイル適量
適量
胡椒適量

*1米はイタリア産のカルナローリ米を洗米せずそのまま使う。粘りすぎずプリッと仕上がり、リゾットには最適。輸入食材店やネットで入手可能。
*2バターは15gと30gに分け、30gのほうは使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく。

1野菜のブロードをつくる

鍋に水2L、玉ねぎ1個(4等分)、にんじん1本(半分に切る)、セロリの葉(1本分)、イタリアンパセリの軸(適量)、ローリエ1枚(すべて分量外)を入れて火にかけ、沸いたら弱火で1時間~1時間半煮て、野菜をこしたスープに塩で薄く下味をつける。使う前に温めておく。市販の無添加の野菜ブイヨンで代用も可。

野菜のブロードをつくる

2玉ねぎを炒める

厚手の鍋にオリーブオイル大さじ1とバター15gを入れて中火にかける。バターが溶けたら玉ねぎを入れ、透明感が出るまで炒める。

3米を加える

2に米を加えて炒め、透明感が出てきたら赤ワイン80mlを加えて煮立てる。アルコール分がとび、煮詰まってきたら野菜のブロードの半量(米の上5mm~1cmほどかぶるくらい)を注ぎ、一度沸騰させてから弱火にする。

米を加える
赤ワインのアルコールをとばして煮詰めてから、温かいブロードを注ぐ。水分がとんだらブロードをつぎ足しながら、米にちょうどよく火が通るまで煮る。

4トレビスを炒める

フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて中火にかけ、トレビスをさっと炒める。軽く塩をふり、残りの赤ワイン40mlを加え、水分をとばしておく。

5米に火を通す

3の水分が減り、米が表面に顔を出してきたらブロードをレードルに1~2杯ずつ足す。この作業を3~4回繰り返しながら、米に火を入れていく。

6仕上げ

米が好みの硬さになったら、4のトレビスと生クリームを加えて混ぜ合わせる。鍋を火からおろし、パルミジャーノと冷たいバター30gを加えて手早く混ぜ、味をみて塩、胡椒でととのえる。器に盛り、好みで黒胡椒、パルミジャーノ(分量外)をふる。

仕上げ
トレビスは一緒に煮込む場合もあるが、苦味が米に移りやすいので、別に炒めて赤ワインで風味をつけ、頃合いをみて加える。こうすると食感も楽しめる。
完成

教える人

山内千夏

山内千夏

やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。

※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 冬のレシピ
四季dancyu 冬のレシピ
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833480833
2021年12月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。