イタリアの家庭の味であるタルト。生地の風味とたっぷりのチーズが相性抜群で、優しい味わいの一品です。乳製品や米、生ハムといった特産品を使ったしっかり旨味のある北イタリアの家庭料理を、料理家の山内千夏さんに習いました。
甘くないお惣菜タルトも家庭の味。ほろほろと軽い口当たりの生地は端を内側に折りたたむだけ。中にはさまざまな具を入れます。北イタリアなら、まずはほうれん草とリコッタで。冬の青菜の甘味と、優しい乳の風味が溶け合います。
★ 生地 | |
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・ 薄力粉 | 100g |
・ バター* | 60g(食塩不使用) |
・ 塩 | 少々 |
・ 砂糖 | 小さじ1/2 |
・ 卵黄 | 1/2個分 |
・ 牛乳 | 20ml |
打ち粉 | 適量 |
★ フィリング | |
・ ほうれん草 | 1束(約200g) |
・ リコッタチーズ | 150g |
・ パルミジャーノ・レッジャーノ | 30g |
・ 卵 | 1個 |
・ パン粉 | 10g(乾燥) |
・ 生クリーム | 40ml |
・ 塩 | 少々 |
・ 胡椒 | 少々 |
・ ナツメグ | 少々 |
*バターは1cm角に切り、直前まで冷蔵庫で冷やしておく。
フードプロセッサーに薄力粉、塩、砂糖を入れ、軽く撹拌したところへバターを加える。
様子を見ながら少しずつ、粗い砂状になるまで手早く撹拌する。
2に卵黄と牛乳を混ぜたものを加えながら少しずつ撹拌する。粉全体に水分が行き渡り、ポロポロとした状態になればOK。
ラップを敷いたところへ3の生地を出し、こねずに手で表面を軽く押さえるだけで円盤状にしたら、ラップで包んで冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
ほうれん草はさっと塩ゆでし、水気をよく絞ってみじん切りにする。リコッタチーズはキッチンペーパーで表面の水気を取る。両方をボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
5のボウルにパルミジャーノ、卵、パン粉、生クリームを入れて混ぜ合わせ、塩、胡椒、ナツメグで味をととのえる。
台にラップを敷いて軽く打ち粉少々をふり、4をのせる。上からも打ち粉をふり、ラップをもう1枚かぶせて麺棒でのばす。
型の高さから少しはみ出すくらいまでのばしたら、表面のラップを剥がして型を逆さに置き、生地下のラップの下から手で持ち上げながらひっくり返す。
型に生地をしっかりと沿わせたらラップを剥がし、表面をフォークでピケする。
6のフィリングを詰めて全体をならし、型からはみ出した生地を内側に折り込む。200℃に予熱したオーブンで30分焼く。
やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子