辻仁成の“パリ・サラダ”
辻 仁成の"パリ・サラダ"|第二十四回"デトックスサラダ"

辻 仁成の"パリ・サラダ"|第二十四回"デトックスサラダ"

疲れた胃腸を癒やすデトックスサラダのレシピです。作家、ミュージシャン、映画監督など幅広く活躍をしている辻仁成さんは、本誌の連載「キッチンとマルシェのあいだ」でも書いているように、多彩で美味しい料理をつくります。パリに住んで20年の辻さんによる、美味しさと思い出の詰まった“パリ・サラダ”のレシピです。

ガシガシ食べたいデトックスサラダ

渡仏20年になるが、12月はとにかく、胃がとっても疲れる。なにせ、クリスマスと大晦日、という大イベントが立て続けにやってくるからだ。

一年で一番のご馳走、フォアグラに生牡蠣、高級なスモークサーモンやカニ、オマール海老、などをこれでもかこれでもか、と食べる習慣があるためだ。その上、フランスにも忘年会的なフェット(パーティ)があるし、とどめの大晦日は大フィーバー間違いなし、……もう、胃袋はへとへとなのである。

スーパーに行っても、マルシェに行っても、レストランも、カフェでさえ、とにかく、ご馳走しか置いてない。なので、1月は胃をやすめる月なのである。

生野菜には酵素がたっぷり含まれているので、食べ過ぎで疲れた腸の洗浄に最適なのである。あえてハムやツナやチーズなどは足さず、生野菜だけをしっかり食べて、疲れきった胃腸に酵素を送り込むというわけである。野菜は切って空気に触れるとどんどん酸化してしまうので、食べる直前に切るのが今日のサラダのポイントとなる。

日本も、正月は帰省しみんなで集まっての食事が続く。ぜひ、このデトックスサラダをお試しいただきたい。シンプルだけれど、これぞサラダ、という健康要素が満杯の、美味しさなのである。ここでデトックスをしておくと、2023年は間違いなく、快調になるはず。

さぁ、では、さっそく、一緒に作ってみましょう。

デトックスサラダのつくり方

材料材料 (2人分)

きゅうり1/2本
アボカド1/2個
ルッコラひとつかみ(もしくはベビーリーフ)
紫玉ねぎ少々
くるみ3、4個
ざくろ適量
干しぶどう適量
枝豆適量
★ ドレッシング
・ 粒マスタード小さじ2
・ 蜂蜜小さじ1
・ レモン汁小さじ2
・ オリーブオイル大さじ1
・ 塩適量
・ 胡椒適宜
材料

1葉物を敷く

まず、お好きなお皿にルッコラなどを敷き詰める。

2具材を切って並べる

アボカドをサイコロ状に切り、半月切りにしたきゅうりを並べ、スライスした紫玉ねぎ、くるみ、ざくろの実、干しぶどう、枝豆などを、バランスよく、造形的にも美しくのせていく。

3ドレッシングをつくる

ボウルにドレッシングの材料を入れ、よく混ぜ、とろっとしたら、サラダに回しかけ、完成となる。

ドレッシングをつくる

あとは、フォークでガシガシと食べるのみ。ハチミツと粒マスタードが胃袋に優しさを持ち込むこと請け合い。見た目よりもかなり美味しく感じるのは、あなたの胃がそれだけ疲れている証拠でもある。年初の胃を喜ばせるためのデトックスサラダ。ぜひ、ガシガシと、お試しあれ。

※デトックス作用のある野菜なら何を混ぜてもOK。ブロッコリー、ケール、トマト、などなど、お好みの具材を加えて頂きたい。とくに、男性にはざくろをお薦めいたします。

ボナペティ!

野菜を焼く

文:辻 仁成 写真・協力:Miki Mauriac