大原千鶴さんの「今宵のあて」
小豆があてになる「つまみのいとこ煮」

小豆があてになる「つまみのいとこ煮」

冬至に食べるかぼちゃ。厳しい寒さに負けず乗り切ろうという思いを込め、栄養価の高いかぼちゃを食べるようになったのが始まりだとか。かぼちゃ料理はいろいろありますが、甘くてホクホクした食感はお酒呑みには敬遠されがち?お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、あてになるかぼちゃ料理のつくり方とそのコツを教えていただきました。

かぼちゃとあんこは、ウイスキーとテッパン

昔から冬至にかぼちゃを食べる習慣がありますが、かぼちゃはお酒が進まない野菜?さつまいももそうですね。でも、里芋や小芋ならおつまみとしてOK!似ているのに、そんなことありませんか?でも、このいとこ煮は、おつまみになる一品です。いとこ煮とは、小豆とかぼちゃをおいおい、めいめい煮たもののこと。一から炊くのは面倒なので、かぼちゃは電子レンジでチン、小豆は缶詰のゆで小豆を使っています。煮てないからいとこ煮風ですかね。つまみになるいとこ煮です(笑)。

電子レンジや缶詰を使うと調理の手間が省け、それでいて美味しいんです。かぼちゃのレンチンは超お薦めで、かぼちゃにバターをのせて、ふんわりとラップをかけてレンジにかけるだけ。加熱時間は、個数よりグラム数を目安にしてください。

加熱したかぼちゃはつぶして、牛乳を加えています。バターや牛乳は、かぼちゃととても相性が良く、小豆ともぴったり。そのままだとパサパサするかぼちゃが、バターや牛乳と合わせることでしっとりとし、乳脂肪で味わい深いおつまみになるんです。これに小豆をのせたら完成です。

お酒は絶対にウイスキー!小豆とウイスキーは実はテッパン。小豆の甘味がとても合い、羊羹や甘納豆もいいおつまみになります。私は、いつも小豆はお茶ではなくウイスキーとマリアージュ。騙されたと思ってお試しください。

つまみのいとこ煮のつくり方

材料材料 (4〜5人分)

かぼちゃ150g(種とワタを取ったもの)
バター10g
A
・ 塩ひとつまみ
・ 牛乳大さじ1〜2
ゆで小豆適量(市販品)

1かぼちゃをレンジにかける

適当な大きさにカットしたかぼちゃを耐熱皿に入れ、上にバターをのせ、ふんわりとラップをし、600wの電子レンジに4分かける。バターが溶けて、竹串がスッと通るのが目安。

かぼちゃをレンジにかける
かぼちゃをレンジにかける

2かぼちゃをつぶす

あたたかいうちにフォークの背でつぶし、Aを加えて混ぜる。

3仕上げる

器に盛り、ゆであずきをのせる。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。