コンビーフをストックしておけば、いつでもつくることのできる手軽なパスタです。この週末のランチにつくってみませんか?ハヤシさんのパスタは、優しい味わいなので、お好みで調味してみてください。
コンビーフってイタリアンでは馴染みがない印象ですが、北イタリアに“スフィラッチ(ぼろきれ)”という名前のよく似た料理があります。(スフィラッチは馬肉を塩水に漬けて蒸して乾燥するものなので、つくり方はコンビーフとは異なりますが)
スフィラッチはルッコラと組み合わせるのが一般的なので、今回のパスタもルッコラと一緒に。仕上げの赤ワインビネガーのひと振りで、コンビーフがグンッとフレッシュになるので、お忘れなく。パスタでなく、そのまま食べる時も赤ワインビネガーを振りかけてみてくださいね。コンビーフは繊維質な食感なので、パスタは若干硬めに茹で上げて、それぞれの食感のコントラストを楽しむのも良いですよ。
合わせるワインは、もちろん“スフィラッチ”をよく食べる北イタリアのものがいい。軽めの赤ワインで楽しむのなら、ヴェネト州の「バルドリーノ」。フレッシュな飲み口と柔らかいタンニンがコンビーフのようなお肉に良くあいます。
ほかにも同じヴェネト州のスパークリングワイン「プロセッコ」も良い。やや尖り気味な酸味と泡が、パスタの味わいというよりは、パスタの食感と好相性です。
料理とワインの組み合わせ方はいろいろあるので、味わいで組み合わせを考えるだけでなく、食感の組み合わせで楽しんでみても面白いですよ。
スパゲッティーニ | 160g(モリサーナ 1.45mm) |
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コンビーフ | 80g(缶詰) |
パン粉 | 3g(細かいタイプ) |
ルッコラ | 30g |
赤ワインビネガー | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
塩 | 9g |
鍋に3Lの湯を沸かし、塩とパスタを入れる。時々混ぜながら袋の表示より少し短めにゆでる。
葉と茎が同じ長さになるよう、食べやすい大きさに切り揃える。
フライパンに、オリーブオイルとコンビーフを入れ、ゆで汁を70ml加え、コンビーフを崩しながら温める。ルッコラと赤ワインビネガーも加え、ソースを仕上げる。
①のゆであがったパスタを③に入れ軽く混ぜ合わせる。器に盛り、完成。
人呼んで“日本人初のイタリア人”。イタリアを愛し、イタリアに魅せられて早28年。トスカーナ州ルッカでレストランのキッチンを、ロンバルディア州ソンドリオでレストランのサービスを、マルケ州ウルビーノで美術学校で印刷技術と広告デザインを学び、現在はデザイナーとして活躍しながら、神奈川県・小田原のイタリア料理店「クインディチ」に立つ日もある。
撮影:青谷慶 構成:編集部