日本人にはあまりなじみがないけれど、ホットサンドにディップを添える食べ方はアメリカでは超定番。なかでもトマトソースは、大人も子どもも大好きな人気ナンバー1ディップ!東京・渋谷にあるSNSでも話題のグリルドチーズサンドイッチ専門店「バイミースタンド」に、ボリューム満点なサンドイッチを教えてもらいました!
東京・渋谷の喧騒を抜け、並木橋交差点までたどり着けば、目的地の「バイミースタンド」はすぐそこ。古いマンションに店舗を構える、グリルドチーズサンドイッチ専門店だ。ペパーミントグリーンを基調としたあか抜けた雰囲気の店内には、1950年代のアメリカンファニチャーが贅沢に配置されている。オーナーがアパレルショップを経営しているというだけあり、感度の高い若者たちで朝から賑わいをみせている。サンドイッチもインスタ映えするとあって、訪れる人のほとんどが「食べる前に撮る」という。
……と、ここまで聞くと「な~んだ、若者仕様の飲食店か」と思うかもしれないが、味の分かるマチュアな層の舌も満足させる、じつにハイレベルなサンドイッチを提供しているのだ。
そもそもグリルドチーズサンドとは、2枚のパンの間にチーズと具材をはさみ、鉄板でこんがりと焼き上げたアメリカで人気のサンドイッチのこと。オーナーがアメリカで食べ、感動した味を再現すべく、2015年に店をオープンさせた。
サンドイッチのメニューは約11品。なかでもダントツで人気なのが「アップルチークス」。豚バラ肉、カマンベールチーズ、りんごをはさんだサンドイッチで、お客の70%が注文するというメガヒットメニューだ。「ローストした豚肉と生のりんごを組み合わせた珍しさとおいしさに魅せられ、リピートされる方も多いです」。スタッフの鈴木天夏さんが人気の理由を教えてくれた。「肉とフルーツの組み合わせなら、牛肉、オレンジ、ブルーチーズをはさんだ『ブルーマンデー』も衝撃のおいしさですよ」
今回はこうした人気メニューのエッセンスを生かしつつ、家庭でもつくりやすいグリルドチーズサンドを7品教えてもらった。提案してくれたフィリングは、肉や魚介×フルーツの組み合わせだけでなく、チーズサンド×ディップのスタイルや、おやつにもウケそうな手づくりジャム、お腹いっぱいになるボリューミーなタイプなどさまざま。すべて鈴木さんのオリジナルレシピだ。
グリルドチーズサンドに欠かせないチーズとパンだが、店では、チーズは穏やかな風味のゴーダチーズとクセの強いチェダーチーズをバランスよく使用。パンはフランスのカンパーニュ生地の食パン、イギリス食パン、黒パンをフィリングに合わせて使い分けている。「家庭では一般的な食パンでも十分おいしくつくれます」と鈴木さん。具材のボリュームが多めなので、できれば薄めのパンを使うとまとまりやすいとアドバイスをくれた。
セオリーさえつかめば、自分だけのオリジナルサンドづくりも夢ではない。グリルドチーズサンドで、あなたのキッチンにコバルトの風を吹かせてみては?
アメリカ人が愛してやまないトマトソースを手づくり。舌にひっかかりのない、とろり&さらりとした上品なテクスチャーと、野菜の旨味が凝縮されたソフリットのおいしさに目を丸くするはず!熱々のグリルドチーズサンドにソースをつけてはかじり、つけてはかじりする楽しさも味わって。残ったソースはパスタやチキンライスなどにも活用できる。多めにつくって冷凍保存しておくのがお薦めだ。
★ トマトソース | |
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・ トマト水煮缶 | 400g(ホールタイプ) |
・ にんじん | 1/4本 |
・ 玉ねぎ | 1/4個 |
・ にんにく | 1片 |
・ ローリエ | 1枚 |
・ オレガノ | 小さじ1/2 |
・ 塩 | 3g |
・ 砂糖 | 6g |
・ オリーブオイル | 大さじ2 |
★ グリルドチーズサンド | |
・ 食パン | 2枚(12~13mm厚さ) |
・ ゴーダチーズ | 35g |
・ チェダーチーズ | 20g |
・ 溶かしバター | 5g |
にんじん、玉ねぎはみじん切りにする。フードプロセッサーを使い、できるだけ細かく切る。にんにくは潰してみじん切りにする。
鍋ににんじん、玉ねぎ、オリーブオイル大さじ1を入れ、弱火で炒める。玉ねぎの甘い香りがしたら取り出す。
鍋ににんにくとオリーブオイル大さじ1を入れ、弱火で炒める。香りが立ったらソフリットを加え、焦がさないようにへらで混ぜながら5分ほど炒める。水分が飛んでパラッとなればOK。
トマト水煮はへらなどでしっかり潰す。ブレンダーで撹拌すると、より口当たりなめらかになる。
3の鍋にトマト水煮、ローリエ、オレガノ、塩、砂糖を加えて弱火にかけ、ときどき混ぜながら煮詰める。シャバシャバだった煮汁がトロトロになればトマトソースのでき上がり。
食パン1枚にゴーダチーズとチェダーチーズをのせ、もう1枚ではさみ、上から手のひらでぎゅっと押さえる。
フライパンに溶かしバターを中火で熱し、6のパンを入れる。蓋をして蒸し焼きにし、焼き色がついたら裏返し、再び蓋をしてチーズが溶けるまで焼く。
グリルドチーズサンドを食べやすい大きさに切り、トマトソースをつけて食べる。
文:佐々木香織 写真:木村心保