ポルトガルの最南端、アルガルヴェ地方で親しまれている料理で、にんじんを輪切りにするのが特徴です。大ぶりに切ることで、素材の味をしっかりと楽しめます。日本人にも合う、シンプルで美味しいポルトガルの食文化に魅せられ、かの地に通って料理を教わった馬田草織さんに家庭料理のあれこれをご披露いただきました。
魚や肉料理と一緒に、野菜をたっぷりと食べられるのも、ポルトガル料理の魅力。にんじんやじゃがいも、さやいんげんといった、日本でもなじみのある野菜がふんだんに使われます。にんじんのサラダは、白ワインビネガーとオリーブオイルのシンプルな味つけが基本。冷蔵庫で3日ほどもつので、たっぷりつくっておくと便利。緑のスープという名前のカルド・ヴェルデは、じゃがいものポタージュに、色鮮やかなケールをたっぷりと加えたもの。滋味深く栄養もあるので、胃腸が疲れたときのリセットメニューとしても最適。日本に“天ぷら”を伝えた国でもあるので、揚げ物のバリエーションも豊富です。
シンプルな味つけでも、切り方が変わるとまた新鮮な味わいに。にんにくがしっかりときいていて、つまみにもぴったり。
にんじん | 1本 |
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にんにく | 1片 |
イタリアンパセリ(葉) | 適量 |
白ワインビネガー | 大さじ2 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
塩 | 適量 |
にんじんは薄い輪切りにする。にんにくとイタリアンパセリは粗いみじん切りにする。
湯を沸かして塩少々を入れ、1のにんじんをややかためにゆでる。ザルにあげて湯をきり、粗熱を取る。
ボウルに2のにんじんと1のにんにく、イタリアンパセリを入れ、白ワインビネガー、オリーブオイルを加えて軽く混ぜ、味をみて塩でととのえる。すぐに食べられるが、冷蔵庫に一晩おくとさらに味がなじむ。
東京生まれ。出版社勤務の後、ライター、編集者として活動しつつ、ポルトガル料理研究家として自宅で料理教室「ポルトガル食堂」を主宰。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』など。
文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子