栗をじっくりと揚げて、外はさくっと中はほっこり甘い、秋の味覚を堪能できる天ぷらに仕上げました。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
栗の天ぷらを盛りつけたのは、小山 剛さんの黒漆の板皿。洗練された佇まいでありながら、どこかぬくもりを感じるのは、艶を抑えた漆の色味と木のやわらかなフォルムゆえ。栗は火が通りにくいので、揚げ油を170℃くらいに保ちながら、15分ほどかけてじっくりと揚げています。衣がさくっと中はほっくりと、この時季しか食べられないおいしさ。あればメース(ナツメグの果実の中の仮種皮を乾燥させたもの)をふると、より大人っぽい味わいに。
栗 | 8個 |
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小麦粉 | 適量 |
A | |
・ 小麦粉 | 40g |
・ 水 | 80ml |
・ 溶き卵 | 小さじ2 |
揚げ油 | 適量 |
岩塩 | 適量 |
栗を半日から1日ほど水に浸してから、鬼皮と渋皮をむく。丸みのある面を先に、平らな面を最後にむくとよい。水に10分ほどさらす。
栗の水気をキッチンペーパーで拭き、小麦粉をまぶす。
ボウルに水と溶き卵を入れてよく混ぜ、ボウルごと冷蔵庫に入れて、しっかり冷やす。別の器に小麦粉を入れ、冷蔵庫で冷やす。十分に冷えたら卵液のボウルに小麦粉を加え、さっくりと混ぜる(混ぜすぎないこと)。
2の栗を3の衣にくぐらせ、170℃の油で15分ほどかけてじっくり揚げる。油からあげ、揚げ網で1~2分油をきると、さくっとした食感を楽しめる。岩塩をふる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
この記事は技あり!四季dancyu「秋のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤達也