ポルトガルの家庭料理
赤ワインと相性抜群なポルトガル風"牛肉のコロッケ"

赤ワインと相性抜群なポルトガル風"牛肉のコロッケ"

肉との相性が良いナツメグとパプリカの香りが漂うコロッケです。現地ではホワイトソースを使いますが、家庭でもつくりやすいように牛乳にアレンジしました。日本人にも合う、シンプルで美味しいポルトガルの食文化に魅せられ、かの地に通って料理を教わった馬田草織さんに家庭料理のあれこれをご披露いただきました。

“牛肉のコロッケ”のつくり方

サラミやナツメグ、パプリカの香りをまとった、ほろっとやわらかな牛肉の味わいがクセになる。本来は牛肉のたねとレモン風味ホワイトソースを混ぜるところ、たねに小麦粉と牛乳を加えてアレンジ。赤ワインと一緒にどうぞ。

材料材料 (12個分)

牛挽き肉200g(赤身のもの)
サラミ*50g(みじん切り)
玉ねぎ1/4個分(みじん切り)
にんにく1片分(みじん切り)
ローリエ1枚(半分に折る)
ナツメグパウダー小さじ1
パプリカパウダー小さじ1
小麦粉大さじ2
牛乳大さじ3~
レモン汁大さじ1
1個
乾燥パン粉1カップ(目の細かいもの)
適量
黒胡椒適量
植物油適量(オリーブオイル、米油など)
揚げ油適量

*サラミが味の決め手なので、吟味したい。ここではスペイン産のイベリコ豚のチョリソ(辛くないもの)を使用。輸入品のほうが現地の味に近くなる。

1玉ねぎを炒める

フライパンに植物油を薄くひいて中火にかけ、にんにくと玉ねぎを入れて炒める。

2サラミを加える

透き通ってきたらサラミを加えて軽く炒め、続いて挽き肉とローリエを加える。ナツメグパウダーとパプリカパウダーをふり入れ、しっかりと炒める。

3小麦粉をふる

肉の色が変わったらローリエを取り除き、塩、黒胡椒をふって味をととのえる。小麦粉を全体にまんべんなくふり、混ぜながらさらに炒める。

4牛乳を加える

小麦粉がなじんで、もったりと重たい感触になったら、牛乳とレモン汁を加え、練るように炒める。再度、味見をして塩でととのえたら、火からおろして粗熱を取る。挽き肉の脂身が多いとたねがやわらかくなり、後で成形しづらくなるので、牛乳の量は状態を見ながら加減する。

5成形して揚げる

たねの粗熱が取れたら、ざっくりと12等分にして、少し太めのワインのコルク状に成形する。溶き卵にくぐらせてパン粉をまぶし、中温に熱した揚げ油で色よく揚げる。

成形して揚げる
出来上がったたねは、ちょっと太めのコルク状に成形する。牛肉の脂身が多いと、やわらかくなりすぎて成形しづらいので、赤身の肉を使うのがポイント。

教える人

馬田草織

馬田草織

東京生まれ。出版社勤務の後、ライター、編集者として活動しつつ、ポルトガル料理研究家として自宅で料理教室「ポルトガル食堂」を主宰。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』など。

四季dancyu「秋のレシピ」
四季dancyu「秋のレシピ」
A4変型判(120頁)
2021年9月13日発売/1100円(税込み)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。