スペイン料理の定番アヒージョに肉を入れてしまうという豪快な一品。バゲットも添えて、美味しい油も楽しみましょう。ワンパターンな味つけになりがちなステーキも、料理研究家の上田淳子さんの手にかかれば、あれよあれよという間にバリエーション豊かなつまみ変身。誰もが笑顔になる、お酒が進む豪快なステーキつまみを習いました。
ビール、日本酒、芋焼酎、スパークリングワイン……
身近な牛肉で、ちょっと豪華な酒宴のススメ
家庭ではついワンパターンな味つけになりがちなステーキも、上田淳子さんの手にかかれば、あれよあれよという間に驚くほど魅力的で美味しいひと皿に。肩ロース肉は、そのしっかりした味わいを活かして、アヒージョやブロシェット、エスカルゴバター焼き、オニオン・バルサミコステーキに。しっとりやわらかなサーロインは、そのジューシーな持ち味を楽しむべく、たたき風ステーキやタルタル風、甘酸っぱいドライフルーツソースを添えた王道のサーロインステーキとなって、目の前に運ばれてくる。
「赤身が主体の牛肉は、味がのせやすい“ソースが生きる肉”。焼き方、切り方、味つけなどさまざまなバリエーションで、ステーキの楽しみが広がります。旦那と双子の息子、食べ盛り男子3人という、うちのような家族構成には、家計に優しいのも大きな魅力です」
上田さんからの焼き方のアドバイスは3つ。
1 肉は必ず常温にもどすこと。
2 後でソースをかける場合でも、きちんと肉に下味をつけること。
3 盛りつける面から焼き、上下を返すとき以外、肉には絶対に触らないこと。
誰もが笑顔になる、ステーキでつくる豪華おつまみ15品と、身も心も躍る芳しき美酒に誘われて、食欲の旅へ、いざ、行かん。
辛味をまとったしっとり香ばしい肉に感激。
ステーキ肉 | 1枚(300~350g)(肩ロース、厚さ1.5cm) |
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塩 | 小さじ1/2 |
マッシュルーム | 8~10個 |
にんにく | 大2片 |
鷹の爪 | 2本(種を取って輪切り) |
オリーブオイル | 大さじ6 |
パセリ | 小さじ2(みじん切り) |
肉は、一口大の角切りにし、塩をすり込んでおく。マッシュルームは半分に切り、にんにくは芽を取り、2~3mm程度の薄切りにする。
小さなフライパン(あればアヒージョ用の器)にオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を入れ弱火にかける。にんにくに軽く色がつき始めたら中火にし、マッシュルームを入れる。ほぼ火が通ったところで火を強め、1の肉を加える。
肉を転がしながら約1分ほど加熱して、盛りつけ、パセリを散らす。油がグツグツ煮立っている状態で、そのまま食卓へ運ぶ。
フランス、スイスでの料理人を経て料理研究家へ。近年はフランスワイン産地で和食の紹介も行なう。著書は『はじめてのシャルキュトリー』(河出書房新社)など多数。
※この記事は『技あり!dancyuステーキ』に掲載したものです。
文:瀬川 慧 撮影:工藤睦子