大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
基本の"肉じゃが"をつくろう!

基本の"肉じゃが"をつくろう!

家庭でつくるおかずの定番中の定番である肉じゃが。少し甘く、ほっとする味わいの肉じゃがの基本のつくり方をおさらいしましょう!料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

”肉じゃが”のつくり方

おふくろの味の代表格。

ほくほくのじゃがいもに牛肉、そしてにんじん、玉ねぎでつくるおなじみの煮物。昭和の味は今も健在で、和食のなかでも断然、人気の料理です。
牛肉が庶民でも食べられるようになったのは昭和も半ばを過ぎたころ。そのころから「肉じゃが」という名で呼ばれるようになりました。半世紀以上、庶民に愛されている料理なのです。

[肉じゃがひと口メモ]鍋の準備
フッ素樹脂加工の鍋を使う場合はそのままで調理開始。
雪平鍋やステンレス鍋を使う場合は、油をひいても肉が鍋にくっついてしまい、せっかくの肉がチリチリになってしまうことも。これに対応するためには「油ならし」の作業が有効です。
「油ならし」のやり方は鍋にサラダ油を大さじ3ほど入れて弱火にかけ、煙が出るくらいに油が十分に熱くなったら火を止め、濡れ布巾の上に置いてそのまま冷まします。粗熱が取れたら油をあけ、材料表にある油を分量どおり入れて調理開始!

このひと手間でストレスなく、失敗なく肉じゃががつくれます。

材料材料 (2~3人分)

牛肉200g(切り落とし)
じゃがいも大3個
にんじん1本
玉ねぎ小1個
しらたき150g
しらたき用の塩小さじ1
絹さや6本
絹さや用の塩少々
サラダ油大さじ1
大さじ2
だし汁又は水2/3カップ
★ 調味料
・ 砂糖大さじ1/2
・ 味醂大さじ2
・ 醤油大さじ3~4

1じゃがいもをカットする

じゃがいもは皮をむいて4等分に切り、水に10分ほどさらして水気を拭く。水にさらすと粉っぽさが取れ、煮くずれせずにほっくりと煮上がる。

じゃがいもをカットする

2じゃがいも以外の野菜の下ごしらえ

にんじんは皮をむいて縦半分に切り、一口大の乱切りにする。玉ねぎは縦半分に切ってからさらに4等分のくし形に切る。絹さやは塩を入れた熱湯でさっとゆでてザルにあげる。

じゃがいも以外の野菜の下ごしらえ

3しらたきの下ごしらえ

しらたきは塩でもむ。こうすると、こんにゃく特有のくさみが抜ける。

しらたきの下ごしらえ

4しらたきをゆでる

水で洗って鍋に入れ、ひたひたの水(しらたきがようやくかくれるくらい)を加えて中火にかけ、煮立ったら火をやや弱めて5分ゆで、ザルにあげて粗熱がとれたら長さ6~7cmに切る。下ゆですると味がよくしみ込む。

しらたきをゆでる

5牛肉を炒める

鍋にサラダ油を熱して牛肉を入れ、色が変わるまで木ベラなどでほぐしながら炒める。

牛肉を炒める

6野菜を炒め合わせる

絹さや以外の野菜を加えて炒め合わせ、全体に油が回ったらしらたきを加えて炒め合わせる。

野菜を炒め合わせる

7だし汁を加える

酒をふり入れ、だし汁を注ぎ入れる。

だし汁を加える

8砂糖を加える

煮立ってきたら砂糖、味醂を加えて混ぜ、蓋をして6~8分煮る。先に甘味をしみ込ませると素材がかたくならない。

砂糖を加える

9醤油を加える

醤油を加えて混ぜ、蓋をして弱火で10分ほど、にんじんがやわらかくなるまで煮たら絹さやを加えてひと煮する。

醤油を加える
完成

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の い」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 基本の い
手ほどきdancyu 基本の い
家庭の和食いろは
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“い”

A4変型判(88頁)
ISBN:9784833477628
2019年1月28日発売/770円(税込)

文:中村裕子 写真:鈴木泰介

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。