家庭でつくるおかずの定番中の定番である肉じゃが。少し甘く、ほっとする味わいの肉じゃがの基本のつくり方をおさらいしましょう!料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。
おふくろの味の代表格。
ほくほくのじゃがいもに牛肉、そしてにんじん、玉ねぎでつくるおなじみの煮物。昭和の味は今も健在で、和食のなかでも断然、人気の料理です。
牛肉が庶民でも食べられるようになったのは昭和も半ばを過ぎたころ。そのころから「肉じゃが」という名で呼ばれるようになりました。半世紀以上、庶民に愛されている料理なのです。
牛肉 | 200g(切り落とし) |
---|---|
じゃがいも | 大3個 |
にんじん | 1本 |
玉ねぎ | 小1個 |
しらたき | 150g |
しらたき用の塩 | 小さじ1 |
絹さや | 6本 |
絹さや用の塩 | 少々 |
サラダ油 | 大さじ1 |
酒 | 大さじ2 |
だし汁又は水 | 2/3カップ |
★ 調味料 | |
・ 砂糖 | 大さじ1/2 |
・ 味醂 | 大さじ2 |
・ 醤油 | 大さじ3~4 |
じゃがいもは皮をむいて4等分に切り、水に10分ほどさらして水気を拭く。水にさらすと粉っぽさが取れ、煮くずれせずにほっくりと煮上がる。
にんじんは皮をむいて縦半分に切り、一口大の乱切りにする。玉ねぎは縦半分に切ってからさらに4等分のくし形に切る。絹さやは塩を入れた熱湯でさっとゆでてザルにあげる。
しらたきは塩でもむ。こうすると、こんにゃく特有のくさみが抜ける。
水で洗って鍋に入れ、ひたひたの水(しらたきがようやくかくれるくらい)を加えて中火にかけ、煮立ったら火をやや弱めて5分ゆで、ザルにあげて粗熱がとれたら長さ6~7cmに切る。下ゆですると味がよくしみ込む。
鍋にサラダ油を熱して牛肉を入れ、色が変わるまで木ベラなどでほぐしながら炒める。
絹さや以外の野菜を加えて炒め合わせ、全体に油が回ったらしらたきを加えて炒め合わせる。
酒をふり入れ、だし汁を注ぎ入れる。
煮立ってきたら砂糖、味醂を加えて混ぜ、蓋をして6~8分煮る。先に甘味をしみ込ませると素材がかたくならない。
醤油を加えて混ぜ、蓋をして弱火で10分ほど、にんじんがやわらかくなるまで煮たら絹さやを加えてひと煮する。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の い」に掲載したものです。
文:中村裕子 写真:鈴木泰介