季節の「引き算」料理
さっぱり甘辛の"鶏肉の酢照り焼き"

さっぱり甘辛の"鶏肉の酢照り焼き"

酢は味を深める立役者です。酸味を加えることで、まったりとした照り焼きが軽やかな味わいに。塩味をつくる塩、醤油、味噌の3つを軸に、余分な調味料を省いた「これで決まり」の引き算料理を料理研究家の大庭英子さんに習いました。

”鶏肉の酢照り焼き”のつくり方

甘辛味に酢を加えるとキリリと引き締まった味わいに。暑い夏にぴったりです。決して酸っぱくはないので、酢が苦手なお父さんやちびっこにも。

材料材料 (2人分)

鶏もも肉2枚(400g)
サラダ油小さじ1
大さじ2
★ たれ
・ みりん大さじ2
・ 砂糖大さじ1/2
・ 醤油大さじ2
・ 酢大さじ2
・ 生姜小さじ1(すりおろし)
★ つけ合わせ
・ かぼちゃ150g
・ オクラ6本
・ サラダ油大さじ1
・ 塩少々

1鶏肉を室温にもどす

鶏肉は30分~1時間前に冷蔵庫から出して室温にもどす。

2鶏肉の下準備

鶏肉の皮目を下にしてまな板に横長に置き、筋を切断するように浅く4~5本切り込みを入れる。

3つけ合わせをつくる

かぼちゃは種とワタを取って、厚さ1cmに切り、長さを半分に切る。オクラはガクを切り揃える。フライパンにサラダ油を熱し、かぼちゃを入れて中火で両面を焼き、蓋をして弱火で4~5分、やわらかくなるまで蒸し焼きにして取り出す。続けてフライパンにオクラを入れ、強めの中火で全体を焼いて取り出し、全体に塩をふる。

4鶏肉を焼く

フライパンをさっと洗って水気を拭き、サラダ油を熱して鶏肉を、皮目を下にして入れる。フライパンより小さめの平らな蓋を鶏肉にのせて、中火で3分焼き、裏に返して中火で2分ほど焼き、蓋をして弱火で4~5分蒸し焼きにする。

5煮る

酒をふり入れ、たれの材料を加えて混ぜ、鶏肉にスプーンでたれをかけながら弱火で煮詰める。

甘辛のベースに酢を加えると、その酸味でグッと味わいが増す。酸っぱくはならず爽やかなコクが出る。

6

鶏肉を取り出して一口大に切り、器に盛ってまわりにかぼちゃ、オクラを添え、残っているたれを鶏肉にかける。

完成

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、「四季dancyu 夏のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu「夏のレシピ」
四季dancyu「夏のレシピ」
A4変型判(120頁)
2021年6月11日発売/1100円(税込み)

文:中村裕子 写真:竹内章雄

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。