素材の味を生かしたナムルとしっとりやわらかな叉焼は、日本酒との相性抜群です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
春の晩酌におすすめの献立。山菜や春野菜の繊細な風味を殺さないよう、調味を最低限に控えたナムルは、清水善行さんの焼き締め山茶碗と印象が似ている気がします。素朴でありながら、洗練された雰囲気でしょうか。砂糖と塩麹の力でしっとりとやわらかに仕上げた叉焼は、山本美文さんのオーバル皿に。彫り跡の風情を堪能したいから、余白を生かして中央に品よく盛りつけました。花冷えの日ならば、熱燗を添えて。
豚肩ロース肉 | 500g |
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A | |
・ 塩麹 | 大さじ3 |
・ 醤油 | 大さじ3 |
・ にんにく | 1片分(8g)(すりおろし) |
・ 生姜 | 1片分(10g)(すりおろし) |
・ 砂糖 | 大さじ3 |
・ はちみつ | 大さじ1 |
・ 八角 | 小さじ1 |
・ 山椒 | 小さじ1 |
・ クローブの粉末 | 小さじ1(または五香粉) |
キッチンペーパーで豚肉の水気を拭き取る。
Aをボウルに入れてよく混ぜ、1を加えてよくもみ込む。たれごと密閉できるポリ袋に入れ、冷蔵庫で2~3日おく(1日1回取り出して、袋の上からもむ)。長くねかせるほど、締まった食感になる。
袋から豚肉を取り出し、常温になるまでおいておく。
180℃に予熱したオーブンで20~30分焼く。途中で一度上下を返す。串を中心まで刺して赤い肉汁が出なければOK。
ホイルに包んで30分おき、余熱で火を通す。すぐに食べられるが、できれば冷蔵庫で1日おくと、肉が締まり味も深まる。好みの厚さにスライスする。
★ うどのナムル | |
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・ うど | 約100g(皮も含む) |
・ 胡麻油 | 小さじ1 |
・ 唐辛子 | 1本分(種を取り除き粗みじん) |
・ 塩 | 小さじ1/3 |
・ 砂糖 | ひとつまみ |
★ 菜の花のナムル | |
・ 菜の花 | 1/2束(6~7本、約100g) |
・ 煎り胡麻 | 大さじ1 |
A | |
・ にんにく | 1/2片分(すりおろし) |
・ 醤油 | 小さじ1/2~1 |
・ 砂糖 | ひとつまみ |
・ 塩 | ひとつまみ |
・ 胡麻油 | 小さじ1 |
・ 煮切り酒 | 大さじ1 |
うどは汚れている部分を洗ってきれいにし、長さ4cmに切り、酢水に5~10分ほどさらす。キッチンペーパーで水気をし っかりと拭き取り、皮ごとせん切りにする。
フライパンを強火にかけ、胡麻油を入れてうどを加えてさっと炒める。唐辛子と塩、砂糖をふり、火を止める。
密閉容器にAを入れてよく混ぜる。
菜の花をさっと塩ゆでし、水にとって冷ました後、水気をかたく絞り、長さ4~5cmに切る。
3の密閉容器に4を入れ、胡麻をふってよく混ぜる。冷蔵庫で一晩おく。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。