食への愛が溢れるフランスの家庭料理
カリブの島で親しまれる鱈のコロッケ"アクラ"

カリブの島で親しまれる鱈のコロッケ"アクラ"

しっとりホクホクな食感がたまらないコロッケです。程よい塩気でついつい手が伸びます。フランスと深くかかわり、グランメゾンから家庭の料理まで広く精通しているサルボ恭子さんに、長く愛され続ける家庭料理を習いました。

“アクラ”のつくり方

フランスの海外県であるカリブの島々で親しまれる塩鱈のコロッケ。本来は塩鱈を塩抜きして使いますが、日本では生か甘塩の鱈で。しっとり、ほっくりの食感がくせになります。

材料材料 (2~3人分)

鱈(生)2切れ(1切れ110g程度(*))
小さじ1/3(下味用(*))
じゃがいも1個(110g)
玉ねぎ1/4個分(薄切り)
にんにく1/2片分(薄切り)
A
・ ローリエ1枚
・ タイム3~4枝(フレッシュ)
植物油大さじ1
白ワイン大さじ2
牛乳100ml
小麦粉大さじ1(たね用)
小麦粉適量(衣用)
揚げ油適量
小さじ1/3
胡椒適量
レモン適量(搾りやすく切る)

*鱈(生)と塩小さじ1/3の代わりに、甘塩の鱈を使用してもよい。

1下準備

鱈は皮を引いて取り除いてから骨があれば抜き、3~4等分に切る。塩をふって、冷蔵庫で一晩おく(甘塩鱈を使う場合は、この作業はしなくてよい)。

2煮る

じゃがいもは皮をむいて一口大に切る。鍋に油をひき、1と玉ねぎ、にんにく、じゃがいも、Aを入れて中火にかける。鱈をほぐすように炒め、ほぐれたら白ワインをふり、アルコールの香りがしなくなるまで煮詰めて牛乳を入れる。沸いたら火を弱め、蓋をしてじゃがいもがやわらかくなってくずれるまで4~5分煮る。蓋を取って中火にし、煮汁をとばして火を止める。

3たねをつくる

2をバットに移して塩、胡椒をし、粗熱が取れたらローリエ、タイムの枝を取り除いてフォークの背で細かくつぶす。たね用の小麦粉を加えて混ぜ、味をみて足りないようなら塩(分量外)でととのえる。

たねをつくる
煮上がったたねをフォークで細かくつぶす。じゃがいもは本来使わないが、一緒に煮ることで全体がまとまり、扱いやすくなる。

4揚げる

3を20個に等分して丸める。揚げ油を中火にかけ、中温になったら、丸めたたねに衣用の小麦粉を薄くまんべんなくまぶしつけて揚げる。2~3分かけ、全体がいい色になったら油をきり、器に盛ってレモンを添える。

完成

教える人

サルボ恭子 料理家

サルボ恭子 料理家

料理家の叔母に師事したのち、渡仏。パリの名門ホテル「オテル・ド・クリヨン」の厨房に勤務。現在は東京で料理教室を主宰。フランス家庭料理を軸に、さまざまなテーマで活動する。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
四季dancyu「春のキッチン」
A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。