発酵した漬物とトマトの旨味が、濃厚で美味。この料理はべトナム北部独特の味つけです。料理を学ぶためにホーチミンで3年半暮らし、帰国後も現地の味を紹介している伊藤忍さんにベトナム母さんの究極に白い米を呼ぶ料理を習いました。
北部の魚料理には、だしを合わせる物が多数あります。爽やかな香りに、高菜とトマト、ヌクマムと、異なる旨味が重なり合います。汁ごとご飯にたっぷりかけて。
高菜漬 | 80g(市販の株漬け) |
---|---|
白身魚 | 2切れ(さわら、めかじきなど) |
A | |
・ ヌクマム | 小さじ1/2 |
・ 黒胡椒 | 少々 |
トマト | 中1個 |
ディル | 1/2パック(2~3枝)(ざく切り) |
小ねぎ | 2~3本 |
にんにく | 1片分(みじん切り) |
水 | 150ml |
揚げ油 | 適量 |
植物油 | 大さじ1 |
B | |
・ ヌクマム | 約大さじ1 |
・ 砂糖 | 約小さじ1 |
・ 黒胡椒 | 少々 |
高菜漬は漬け汁を絞って2cm角に切り、ボウルに入れる。水を1~2度替えてしっかりと洗ってからたっぷりと水を張り、一晩つけて塩抜きし、水分を絞る。
白身魚はキッチンペーパーで水気を拭いて半分に切り、Aをまぶして10分おく。小ねぎは青い部分をざく切り、白い部分をみじん切りにする。トマトは横半分に切って種を除いてからざく切りにする。
小さめのフライパンに揚げ油を1cm程度の高さまで入れ、中温に熱する。2の白身魚の水気をキッチンペーパーで押さえて取り、フライパンに入れて揚げ焼きにする。中まで火が通り、両面によい揚げ色がついたら、取り出して油をきる。
きれいにしたフライパンに植物油を入れて中火にかけ、にんにくと小ねぎの白い部分を入れて炒める。よい香りがしてきたら、トマト、高菜漬の順に入れてさらに炒める。高菜漬の香りが立ってきたら水を注ぎ、沸騰したら弱火にする。2~3分煮てから味をみてBで味をととのえる。高菜漬の塩分の残り具合によっても味の出方が変わるので、調味料の量は加減する。
3の魚を入れ、蓋をして4~5分蒸し煮にする。仕上げに小ねぎの青い部分を加えて混ぜ、火を止める。器に盛り、ディルを散らす。
フードコーディネーターを経てベトナム・ホーチミンへ移住。3年半の間、料理研究と旅行者向けの料理教室の運営などに携わる。帰国後はベトナム料理研究家として幅広く活動中。料理教室「アン コム」主宰。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
この記事は四季dancyu「秋のキッチン」に掲載したものです。