ベトナムの甘いものの代表はチェー。材料を替えていろいろな味わいが楽しめます。日本では冷たいものが有名ですが、温かいチェーも滋味深いです。料理を学ぶためにホーチミンで3年半暮らし、帰国後も現地の味を紹介している伊藤忍さんにベトナム母さんの究極に白い米を呼ぶ料理を習いました。
豆などの素材と砂糖を一緒に煮たもののことをチェーと呼び、温かいまま食べるのも一般的。ほっこりとやさしい味わいに心も和みます。体によい緑豆は、現地ではおかゆに入れて離乳食にすることもあります。
緑豆* | 100g(皮なし) |
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かぼちゃ | 120g(種と皮を除く) |
ココナッツミルク | 300ml |
水 | 300ml |
砂糖 | 約80g |
塩 | ひとつまみ |
*緑豆は春雨や一般的なもやしの原料になる豆で、インド料理でムングダールと呼ばれるもの。緑色の皮つきと、皮をむいた黄色いものがある。皮なしのほうが扱いやすい。
緑豆は米をとぐ要領で洗い、たっぷりの水に1時間以上つけておく。かぼちゃは2cm角に切る。
1の緑豆の水気をきって鍋に入れ、ココナッツミルクの半量と水を入れて中火にかける。沸いたら弱火にし、緑豆がやわらかくなるまで煮る。
緑豆がふくらんでホロホロとしてきたら、1のかぼちゃを入れて、かぼちゃがやわらかくなるまでさらに煮る。
2の残りのココナッツミルクから大さじ1ほどを残し、それ以外を砂糖、塩とともに入れる。かぼちゃの甘さと煮詰まり具合によって砂糖の適量が変わるので、味をみて加減。器に盛り、取り分けておいたココナッツミルクを上にかける。
フードコーディネーターを経てベトナム・ホーチミンへ移住。3年半の間、料理研究と旅行者向けの料理教室の運営などに携わる。帰国後はベトナム料理研究家として幅広く活動中。料理教室「アン コム」主宰。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
この記事は四季dancyu「秋のキッチン」に掲載したものです。