これ以上ない迫力を持った料理ですが、実は失敗も少なく万人受けする一品です。旬のおいしいものを日本酒と一緒に楽しみませんか?家飲みの達人稲垣知子さんに、日本酒がおいしくなる秋の献立を教わりました。
ともかく盛り上がるご馳走感たっぷりのメニュー。思ったよりもつくりやすいので、ぜひ挑戦してください。焼く前の塩釜にペットボトルのキャップなどで鱗模様をつけたり文字を書いたりすることもできるので、お子さんがいたら一緒にどうぞ。
鯛* | 1尾(体長約35cm、約1kgが目安) |
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(*ウロコ、エラ、内臓を除く。魚屋で処理してもらっておくとよい。) | |
塩 | 1.5kg |
卵白 | 4個分 |
オレンジ | 1個 |
セロリの葉 | 適量 |
お好みのハーブ | 適量(タイム、イタリアンパセリなど) |
レモン | 1個分(半割り) |
ボウルに塩を入れ、その中にオレンジの皮を1個分すりおろす。
すりおろしたあとのオレンジを皮つきのまま、幅5mm程度のスライスにしておく。
1のボウルに卵白を入れ、しっかり混ぜる。
鯛は軽く洗って、キッチンペーパーでしっかり水気を拭く。腹の中に2でスライスしたオレンジ、セロリの葉とお好みのハーブを詰められるだけ詰める。
オーブンの天板にオーブンペーパー(またはアルミホイル)を2重に敷いたら、3の1/3程度の量を魚のサイズに合わせて薄く敷く。
オレンジスライス、セロリの葉、ハーブをまんべんなくのせる。
4の鯛をのせる。鯛の上からもオレンジ、ハーブを貼りつけるようにのせる。
3の残りで鯛を覆い、手で押さえながら形を整える。身の部分を重点的にしっかりと覆う。
塩釡は多少割れても問題ないが、できるだけ表面はきれいに整える。頭や尻尾は食べないので塩釡からはみ出ていても大丈夫。
180℃に予熱したオーブンで約40分、塩釡の表面がきつね色に色づくまで焼く。レモン、残ったオレンジやハーブでまわりを飾り、天板のままテーブルへ運ぶ。
食べるときに塩釡を割り、魚を取り出して盛りつける。
企業役員秘書を経て現職。各地の郷土料理や食材の生産者を訪ね歩くと同時に蔵元(現在100蔵超)を回り、本格的な酒造りの仕込みに参加したり、蔵元のおつまみなどを学びつつ、食とお酒のさまざまな楽しみ方を提案している。お酒がおいしく飲める萩焼酒器のプロデュースも手がける。
文:椙下晴子 写真:田村昌裕
この記事は四季dancyu「秋のキッチン」に掲載したものです。