中華鍋は炒める、揚げるはお手のもの、加えて燻(いぶ)すもできる万能調理器具!そんな中華鍋だからつくれるダイナミックな料理を、料理研究家の大庭英子さんに習いました。
あるとないとじゃ大違い。
使わない手はない、中華鍋!
炒める、揚げるはお手のもの、加えて燻(いぶ)すもお任せください。鉄製だから安心して強火が使える上、すぐに鍋全体に熱が伝わリます。だから、さっと炒めて、さっと沸かして、と調理時間を短縮可能。料理も元気いっぱいに仕上がります。さらに見逃せないのが、長持ちすること。教える大庭英子さんは、一つの中華鍋を20年以上も使っているとか。もちろん、まだまだ使い続ける気は満々。いいことずくめの中華鍋!
そんな万能選手の中華鍋だからつくれる、ダイナミックな料理をご紹介しましょう。
新品の中華鍋は錆びないように表面に加工がされているものがほとんどです。使い始めはまずは湯を沸かして、表面の加工を取り除きます。中華鍋にたっぷりの水を入れて強火にかけ、しばらく沸騰させて湯を捨てる。これを2回繰り返せば完璧。
コーティングを取り除いた後は、鍋に油をしみ込ませてなじませます。
中華鍋に油を大さじ3ほど入れて中火にかけ、キャベツの外葉や長ねぎの青い部分などのくず野菜を炒めます。混ぜながら鍋全体に油をなじませて。野菜が少し焦げるくらいまでしっかりと炒めれば完璧。
洗剤で洗ってしまうと、最初にくず野菜を炒めて鍋にしみ込ませた油が取れてしまうので、使った後はたわし(植物性のもの)で汚れを落としてからさっと流し、乾いた布巾で拭くだけに。洗剤などで洗った場合は、改めてくず野菜を炒めて鍋に油をしみ込ませることが必要です。洗った後に火にかけて水分を蒸発させるのも、同様にしみ込んだ油がとんでしまうのでNG。使った直後にさっと洗って拭くだけ。簡単メンテで長持ちさせてください。
また、中華鍋はガス専用だけではなく、IH対応の底が平らになっているタイプもあるので、自分のキッチンに合ったものを選べます。
小松菜 | 1袋(300g) |
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にんにく | 1片 |
赤唐辛子 | 1本 |
サラダ油 | 大さじ2 |
酒 | 大さじ1 |
塩 | 小さじ1/3 |
胡椒 | 少々 |
小松菜は洗い、たっぷりの水に10分ほどさらしてパリッとさせ、根元に十文字の切り込みを入れ、長さを半分に切る。にんにくは縦半分に切り、包丁の腹で押しつぶす。赤唐辛子は斜め半分に切って種を取る。
中華鍋にサラダ油、にんにくを入れて弱火にかける。
にんにくの香りが出たら小松菜の根元のほうと赤唐辛子を入れ、強火で大きく混ぜながらさっと炒め、小松菜の葉を加えて炒める。酒をふり、蓋をして30秒ほど蒸し、塩、胡椒を加えて混ぜ、器に盛る。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
文:中村裕子 写真:原ヒデトシ
※この記事は四季dancyu「夏の台所。」に掲載したものです。