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岸本恵理子さんの"家リゾット"応用編フェンネルのオルツォット

岸本恵理子さんの"家リゾット"応用編フェンネルのオルツォット

本誌4月号「シンプルパスタ」特集のミニ企画、「すごいリゾット」のなかで、米・野菜・オイルだけでつくれる“家リゾット”を紹介してくれた、出張料理人の岸本恵理子さん。 「実は、『Riso(米)』を、『Orzo(大麦)』や『Farro(古代小麦)』に置き換えてつくる、“オルツォット”や“ファロット”もおいしいので、dancyuの読者に是非お薦めしたい!」ということで、レシピを教えていただいた。本誌と併せてお楽しみください。

大麦・野菜・オイル。野菜を1つ選ぶなら何にする?

古代小麦の入手はややハードルが高いかもしれないが、大麦(岸本さんのお薦めはもち麦)ならば、普通のスーパーの米売り場でも手に入りやすい。もち麦と合わせるとおいしい野菜として、岸本さんが選んだのは、最近は、産地直送の野菜売り場や道の駅などで、時折目にするようになった、フレッシュのフェンネル。物珍しさにせっかく手に入れても、サラダ以外の食べ方や、葉の部分をどう使い切ったらいいのかお困りの人も多いと思うが、株元から葉まで余すところなくたっぷり使える、ホットサラダ感覚のオルツォットはいかがでしょう。

岸本恵理子さん

フェンネルのオルツォットのつくり方

材料材料 (つくりやすい分量)

もち麦1カップ
フェンネル株元の部分100gくらい、葉の部分3本分くらい
適量
E.V.オリーブオイル適量(辛味がなく、青々しいニュアンスのもの)
胡椒適量
オレンジの皮適量
フェンネル
サラダに使われる、白い株元(セロリのような食感)の部分と、柔らかい葉先を使います。

1もち麦をゆでておく

たっぷり湯を沸かし、もち麦を20分ほど茹でる。茹で上がったらざるに上げ、水で洗ってぬめりを取っておく。

もち麦をゆでておく
もち麦は茹で置きしても食感が変わらないので先に茹でておくとよい。冷凍しておくと、すぐに使えて便利。

2フェンネルの下準備

もち麦を茹でている間に、フェンネルを細かく刻む。株元の部分は縦に薄切りにした後、みじん切りにする。葉は、塩少々を加えた湯(分量外)で、軽く湯通ししてから刻むと扱いやすい。

フェンネルの下準備
フェンネルの下準備

3オリーブオイルで炒めて、だしを引き出す

鍋にオリーブオイルとフェンネルの株元のみじん切りを入れて中火で炒める。油が馴染んだら塩をひとつまみふって、水(あるいは湯)を100cc加えてさらに炒めると、フェンネルのだしが引き出される。

オリーブオイルで炒めて、だしを引き出す
オリーブオイルで炒めて、だしを引き出す

4もち麦を合わせる

フェンネルがオイルをまとって透き通ってきたら、ゆであがったもち麦を加える。水分が減ったら、水200mlを加える。

もち麦を合わせる
ここで水分をたっぷり加えて、スープのように仕上げてもおいしい。

5仕上げ

もち麦が満遍なくなじんだら、フェンネルの葉を加えて混ぜ合わせ、塩、黒胡椒、E.V.オリーブオイルで味を調えて完成。

仕上げ

6皿に盛る

皿に盛り、好みでE.V.オリーブオイルをふって、オレンジ(他の柑橘でも良い)の皮を細く切ったものをのせたり、ケイパーを刻んだものを加えても。冷やしてサラダのように食べてもおいしい。冷やす場合、オイルをしっかりかけておく。ヴィネガーを足すと美味。

完成
完成

教える人

岸本恵理子 出張料理人

岸本恵理子 出張料理人

イタリアでスローフード協会が設立した料理学校を卒業。イタリア各地で郷土料理やマンマの料理を学び、計3年間修業。企業や個人宅への出張料理に始まり、ホテルやカフェの料理監修、料理講師など多方面で活躍する。

取材:柴田香織 文:編集部 写真:長野陽一