ほっこりしたじゃがいもは、どんなスパイスも受け入れる懐の深いヤツ。スパイス料理に長けた香取薫さんに、身近なスパイスでつくるポテトおつまみを教わった。香り豊かな絶品つまみの数々に、舌も心も酔いしれる!
香取薫さんのレシピには、じゃがいもをおいしくするスパイス使いのコツが満載だ。
たとえば、じゃがバターにかけるクミンシードは乾煎りする。香ばしさが加わり、生のまま使うより断然おいしい。じゃがいもを蒸したりゆでたりするときは、黄色いターメリックを加える。「食欲をそそる色がつく上、料理全体の風味をまとめる役をも果たす」とか。香取さんいわく「山椒もスパイスの一種」。和の香りをフライドポテトにきかせる絶品レシピも登場した。
油使いも注目したい。「じゃがいももスパイスも油と相性抜群。バターやラードなど、油脂を使い分けることで表情豊かな味を楽しめます」とにっこり。油の個性も加わったスパイシーポテトはビールに最高!
粗くつぶしたじゃがいもにたっぷりのバターを溶かしながら混ぜるのがミソ。口の中で溶けるような優しい食感に仕上がる。ガラムマサラの風味がふわっと広がり、カリカリに煎ったクミンの食感がおいしさを盛り上げる。意外なほど醤油がよく合い、ビールがすすむ!
じゃがいも | 2個 |
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バター | 大さじ2 |
クミンシード | 小さじ1 |
A | |
・ ガラムマサラ | 小さじ1/2 |
・ 黒胡椒 | 小さじ1/4 |
・ 塩 | 適量 |
醤油 | 適量 |
香菜 | 適量(刻む) |
フライパンにクミンシードを入れて中火にかけ、香りが出るまで乾煎りする。
じゃがいもは丸ごと、やわらかくなるまでゆでる。半分に切り、皮がやぶけない程度に中身をくりぬき、ボウルに入れる。
じゃがいもが熱いうちに粗くつぶしながらバターを混ぜ、Aを混ぜる。これを皮に戻し入れ、軽くにぎって丸める。
醤油を数滴垂らし、1と、香菜をのせる。
長年インドへ通い、現地の主婦たちから家庭料理を習得。日本人の味覚に合わせたスパイス使いが得意で、料理教室では数多のカレー好きに本場の技を伝授する。『薫るスパイスレシピ』(山と渓谷社)など著書多数。
文:安井洋子 写真:竹之内祐幸
※この記事は使える dancyu「じゃがいも」に掲載したものです。