浅草の観音裏にあるマイクロビストロ、「ペタンク」の山田武志シェフにワインに合うアボカド料理をリクエスト。ぜひおいしくワインを飲みたい日につくってみてください。
食材の思いがけない組み合わせと味わいの妙に、へえ?!と唸りながらワインがするするとすすむ。おいしさはもちろんのこと、いつでも、うきうきと楽しい気分にさせてくれるのが、浅草観音裏の小さなビストロ「ペタンク」だ。
アイデア豊富な山田武志シェフの手にかかれば、きっとアボカドで魅力的なつまみが生まれるはず!と思ったら開口一番、「アボカドにはトラウマがあるんです」と一言。かつてグランメゾンで働いていたとき、前菜で少量使うアボカドを常にベストなころ合いで用意しておくため、毎日大量のアボカドを管理し、状態を見計らっていたことを思い出すのだとか。
「同時に何個も食べごろがきたりするんですよね~」と遠い目。
しかし、披露してくれたのは、そんなアボカドとの密な日々があったからこそ今がある!と言いたくなる、「ペタンク」らしさ満載のアボカドつまみ6品だった。
なかでも新鮮なのはガスパチョだ。味の決め手はなんと生姜の甘酢漬け、ガリ。ふだん、店でビーツやマンゴーなどにガリを合わせてつくっているスープを、アボカドでアレンジした。ぽってりとまろやかな口当たりにガリの酸味と香味が合わさり、未知の味ながらどこかホッとする不思議な味わい。
「アボカド=油分として考えると使いやすいですよ」
マリネなどの酸味とアボカドの 組み合わせは、魚や海老といった主食材をマヨネーズやドレッシングでまとめるような役割をしてくれるし、クリーミーな春巻き、バターソテーやラー油をきかせたオムレツなど油脂同士のかけ合わせも、驚くほど相性抜群だ。ちょっと手をかけたつまみも、気負わずささっとつくる晩酌のお供も、アボカドにはこんな可能性があったのかと驚く6つのレシピ、さあ、何からつくる?
アボカド | 中1個 |
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りんご | 中1個 |
水 | 350mL |
A | |
・ 白ワイン | 150mL |
・ 砂糖 | 150mL |
・ キーライム* | 1個分(半割り) |
・ ガリ | 100g(市販の甘酢生姜) |
B | |
・ 牛乳 | 200mL |
・ 塩 | ひとつまみ |
・ EXV.オリーブオイル | 適量 |
アマランサス | 適量(飾り用) |
オリーブオイル | 適量 |
*キーライムは中米ではメジャーなライムの一種。手に入らないときはライムやレモンでも可。その場合は1~2個使用。
りんごは縦6個に切って皮と種を取り除く。鍋にAの材料をすべて入れて中火にかけ、シロップが沸いたらりんごを加えて落とし蓋をする。再度沸いたら弱火にし、10分ほど煮てそのまま冷ましておく。
アボカドは半分に割って種を取り、スプーンで中身を取り出す。
ミキサーに2のアボカドを入れ、1のりんご5切れとシロップ大さじ2、Bを入れて撹拌する。
完全になめらかにせず、ガリの食感が少し残る程度まで撹拌したら、ボウルなどに移して食べるまで冷蔵庫で冷やしておく。
器に4を注ぎ、りんごの残り1切れを適当に切ってのせ、アマランサスを添える。オリーブオイルを回しかける。
フレンチのテクニックをベースに、アジアの食材や調味料などを組み合わせた、ひとひねりあるひと皿が山田さんの真骨頂。ナチュラルワインとともに味わいたい。
文:鹿野真砂美 写真:山田 薫
※この記事は「使えるdancyuアボカド」に掲載したものです。