ロシアでよくつくられる常備菜は、きのこの漬物なのだそう。この漬物を使ったパスタは、発酵の旨味がやさしくからんで絶品です。「現地に行って、自分の目で見て味わいたい!」好奇心をかき立てられた荻野さんが、ロシアで教わった家庭料理をご紹介します。
夏や秋口にダーチャの周辺でたくさん採れた野菜やきのこは、塩水漬けで保存すると、食材が少なくなる冬に大活躍。乳酸発酵が進み変化していく味も楽しめます。ここでは発酵を早めるために砂糖と酢を少々加えましたが、入れなくても大丈夫です。
きのこ | 500g(エリンギ、しめじ、舞茸、マッシュルーム、椎茸など) |
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にんにく | 1片(半割りにして芯を取る) |
赤唐辛子 | 1本(種を取る) |
A | |
・ 砂糖 | 小さじ1 |
・ 酢 | 小さじ1 |
・ 塩 | 大さじ1 |
・ 水 | 3カップ |
きのこ類は、石突きがあるものは切り落とし、食べやすい大きさに裂くか切ってザルに入れ、上から熱湯を回しかけてサッと湯通しする。
ボウルにAを入れ、よく混ぜて溶かす。煮沸消毒した保存瓶に1を詰めたら、にんにく、赤唐辛子をのせ、上からAを注ぎ入れる。
蓋を完全に閉めないようにして 2常温におく。2~3日後から漬物として食べられる。さらにおくと乳酸発酵して漬け汁が白っぽくなってくる。一カ月くらいで食べきる。
きのこの漬物 | 1カップ(きのこのみ) |
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きのこの漬物の汁 | 適量 |
にんにく | 1片分(薄切り) |
赤唐辛子 | 1本分(小口切り) |
スパゲッティ | 200g(リングイネ) |
塩 | 適量 |
オリーブオイル | 大さじ2~3 |
イタリアンパセリ | 適量(粗みじん) |
粉チーズ | 適量 |
※にんにく、赤唐辛子は、きのこの漬物に入れたものを使用。
鍋にたっぷりの湯を沸かして湯量の1%の塩を入れ、スパゲッティ(リングイネ)を1/3の長さに折って表示どおりにゆでる。
フライパンにオリーブオイルとにんにく、赤唐辛子を入れて弱火にかけ、香りが立ったらきのこの漬物を入れて中火にして軽く炒める。
2のフライパンにゆで上がったスパゲッティと漬物の汁を入れる。全体をからめて器に盛り、イタリアンパセリと粉チーズをふる。
きのこの漬物さえあれば、ササッとつくれるお手軽パスタ。発酵のやさしい旨味が麺にからみます。ロシアではラプシャーという卵入りのショートパスタを使うのがポピュラーですが、ここではリングイネを折って使用。
サロン・ド・キュイジーヌ主宰。世界各国の郷土料理を実際に現地で食べ、つくり、体験するのがライフワーク。特にロシア料理、食文化に造詣が深い。テレビ出演や著書も多数。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
この記事は「四季dancyu 冬の台所」に掲載したものです。