ふわっふわの“つみれ”のつくり方を、dancyu2021年2月号で掲載した四ツ谷「おでんやden」店主の佐藤真一さんと女将の直子さんに、教えていただきました。お店でのレシピなので、分量は多いのですが、お家でつくるときの参考にしてください!
「おでんやden」の壁にずらりと貼り出されているのは多種多様のおでん種。そのなかでひと際、目を引くのが自家製の一派だ。顔ぶれは、つみれ、つくね、がんもどき、福袋の4品。いずれ劣らぬ逸品揃いだが、そのなかから今回はつみれを教えてもらった。
そもそもつみれとは、主に青背魚のすり身を団子状にまとめて茹でた物。市販のつみれはプリッと歯ごたえがあり練り物に近い印象だが、この店の品は驚くほどふわっふわ。口の中でほろっと崩れつつ、濃厚な魚の旨味がしっとり広がる夢のような食べ心地なのだ。もちろん、青背魚特有の生臭さは一切なし。後に立つ柚子の香りがまた、なんとも心地いい。
今回、習ったのはイワシのつみれだが、アジ、ブリ、カンパチ、サンマなどでもよいとのこと。包丁でよく叩いた後、泡立て器で空気をふくませながら調味料を混ぜ込むのがふわふわに仕上げる秘訣だ。
手間はかかるけれど、その分、おでんの幸せは倍増。この味を知ってしまったら、もう市販のつみれには戻れないはずだ。
いわし | 20尾 |
---|---|
A | |
・ 合わせ味噌 | 30g |
・ 卵白 | 2個分 |
・ 砂糖 | 15g |
・ 大和芋 | 100g(すりおろす) |
・ 柚子の皮 | 1/2個分(みじん切り) |
いわしは頭と内臓を除き、腹側から背骨に沿って親指を入れて開く。背骨と腹骨を手で取り除いたら、さっと水洗いして片身ずつ皮をはぐ。
いわしをすべておろしたら、キッチンペーパーでしっかり水気を取り除い得てからまな板に置く。まずは包丁で1cm幅に切り、その後、包丁で細かく叩いていく。包丁で裏返しながら粘りが出るまで満遍なく叩く。
Aをボウルに混ぜ、②を入れる。泡立て器で40~50回、しっかり混ぜる。ここで空気を含ませるのがふわふわに仕上げるコツ。混ぜ終えたらラップをして一晩寝かせる。
鍋にたっぷり湯を沸かし、③をスプーンの曲線を使って円形にまとめながら入れる。6~7分加熱し、浮き上がってきたら引き上げる。
④をおでんのだしに入れ、15分煮込む。家庭では下茹でせず、直接、おでんのだしで煮込んでもよい。
文:上島寿子 撮影:竹之内祐幸