dancyu2021年2月号で掲載した四ツ谷「おでんやden」。店主の佐藤真一さんと女将の直子さんに、自家製のおでん種(牛すじ、つみれ、がんもどき)のつくり方を教えていただきました。お店でのレシピなので、分量は多いのですが、お家でつくるときの参考にしてみてください!
東京生まれの私にとって、おでんのすじといえば魚のすじのこと。関西では牛すじを入れると知ったのは結婚してからだ。以来、見よう見まねで牛すじを入れてはみるものの、硬いし、脂っこいし、どう扱えばいいのか正解がわからないままおでん人生を送ってきた。
が、しかし、ようやく知ったのである、牛すじの正解を。教えてくれたのは「おでんやden」の佐藤真一さんだ。この店のおでんは昆布だしベースの関西式。牛すじは定番の人気おでん種に君臨しているのだが、これがもう絶品。ほろっと柔らかく、脂っこさは皆無。澄んだ旨味が噛むほどに溢れ出て、だしもおいしく育っていく。うっとり。
その味わいの秘密は、丁寧な下ごしらえにあった。このひと手間をかけるか否かで大違い。ちなみに、牛すじは竹串に刺す店が多いが、食べやすく切るだけでOKというのもありがたい。
加えてポイントになるのは牛すじの選び方だ。和牛の上等な牛すじのほうがおいしくなるような気がするけれど、実は逆。オージービーフのような脂少なめの牛すじのほうがあっさりしておでんには合うのだとか。
牛すじの仕込み方をマスターした今、おでん人生に迷いはなし。関東のみなさまも、これを機に牛すじ入りのおでんにチャレンジを!
牛すじ | 1kg(冷凍でも可) |
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醤油 | 100mL |
酒 | 50mL |
※店ではオージービーフの牛すじを使用。和牛よりもあっさり仕上がる。
大きな鍋に牛すじと、牛すじがかぶるぐらいの水を注いで強火にかける。鍋が温まってきたら箸でほぐす。
牛すじの色が全体的に変わったら、火からおろして流水でよく洗ってアクを落とす。
ざるにあけて水気を切ったら、3~4cm角ぐらいの食べやすい大きさに切る。
鍋に戻してたっぷりと水を張り、強火にかける。
沸騰してきたらアクをすくって、酒と醤油を入れて15分ほど煮込んだら下ごしらえは完了。
⑤をおでんのだしに入れ、30分ほど煮込めば食べ頃。
文:上島寿子 撮影:竹之内祐幸