dancyuなポルトガル料理研究家・馬田草織さんの偏愛レシピは、ポルトガル料理店「クリスチアノ」のタコご飯。馬田さん曰くポルトガル料理を食べた人は口を揃えて「初めて食べたのに、懐かしい味がする」と言うそう。dancyu1月号「おいしいレシピ100」で掲載した「dancyuな人たちの偏愛レシピ」。そこで登場した8品のレシピを1日ずつご紹介します!
ポルトガル料理、何それ? な空気は、7年前に比べたら少しは薄らいだのだろうか。
味のインパクトは強くないけれど、じわじわと舌の記憶をジャックしていく素朴な魅力が持ち味で、クリスチアノで食べるタコご飯がまさにそれ。じっくり1時間以上タコを煮て、そのうま味たっぷりのだしで米を炊き(レシピではつくりやすく炊いたごはんになってますが)、あとは香味野菜に塩、オリーブオイルだけと、材料もシンプルでつくりやすい。イタリアのリゾットよりもおじやっぽい仕上がりも、日本人が親しみを持てる理由の一つかもしれない。ちなみにポルトガルでは、おじやバージョンと炊き込みバージョンの両方を見かけます。
1時間もタコを煮る時間がないよーというときは、ゆでダコを小さく切って弱火で香味野菜と蒸し炒めし、タコからだしをしっかり引き出してから米と煮る簡単バージョンもいい。こちらはおじやというより炊き込みっぽい感じに仕上がります。
ワイン好きにとって、呑める米料理は1品でつまみにも主食にもなる有り難い最強レシピ。私がポルトガル料理に惹かれるのは、こういう呑める米料理のバリエーションの多さにある、と言っても過言ではないのです。
ご飯 | 茶碗2杯 |
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ゆでダコ | 200g |
水 | 500ml |
玉ねぎ | 1/4個 |
にんにく | 1片 |
かぶの葉 | 適宜(小松菜、ほうれん草などでも良い) |
オリーブオイル | 大さじ1強 |
塩 | 適宜 |
玉ねぎは粗みじん、にんにくはつぶす。かぶの葉は粗みじんに切っておく。
鍋にオリーブオイルを熱して1の玉ねぎとニンニクを炒め、玉ねぎが透き通ったら水とゆでダコを加える。ゆでダコが柔らかくなるまで、中~弱火で1時間ほど煮る。
ゆでダコを触って、ぐっと力を加えてもはね返ってこなくなったら(弾力がなくなったら)タコだけ取り出し、一口大に切る。
3のだしにご飯を加えて中火で5分煮込む。ご飯にだしがなじんだら、かぶの葉と3のタコを加えてひと煮立ちさせ、味をみて塩で調える。
文:馬田草織 撮影:公文美和