プロの技でつくる絶品豚バラ中国料理
甘めのピリ辛味がじゃがいもと玉ねぎに合う "甘味噌回鍋肉"

甘めのピリ辛味がじゃがいもと玉ねぎに合う "甘味噌回鍋肉"

じゃがいものホクホクとした食感が、甘味噌のコクのある味わいと相性抜群!さっとつくれて、食べ応え十分な一皿です。

コク深いご飯が進む味

じゃがいもと玉ねぎに合わせて、甘味噌の甜麺醤を使用。コクのある、ほっとするような味わいだ。水気が多い新じゃがはゆでてから素揚げに。これで炒める際も崩れにくくなる。

豚肉はぜひ塊で!

実際に使うのは200gだが大きめの塊のほうが旨味が逃げないので、ゆで豚肉は500~600gでつくるのがお薦め。冷蔵庫で約3日間保存可。回鍋肉のほかにもさまざまな料理に活用できる。

甘味噌回鍋肉のつくり方

材料材料 (2人分)

豚バラ肉500~600g(塊)
長ねぎ約8cm(青い部分)
生姜1片
じゃがいも大1個
玉ねぎ1/2個
豆板醤大さじ1弱
甜麺醤(ティエンメンジァン)※大さじ1
醤油小さじ1/4
紹興酒少々
サラダ油適量

※小麦粉からつくられる甘味噌。まろやかな味わいで、北京ダックのつけ味噌としても使われる。

1豚肉を茹でる

鍋に豚肉、長ねぎ、生姜を入れ、肉がかぶるくらいの水(分量外)を注ぎ入れて、強火にかける。沸いたら弱火にし、コトコト沸くくらいの火加減を保つ。

豚肉を茹でる
豚肉は脂が覆っている側を下に。こうすると肉が浮きにくく、火の通りが均一に。グラグラ沸かすと豚肉が硬くなるので要注意!

2こまめにアクをすくう

途中、アクが浮いてきたらその都度すくい取る。豚肉の表面が水面より出てしまうようなら湯を足し、20~30分ゆでて、取り出す。

こまめにアクをすくう
こまめにアクをすくう
約20分経ったら竹串を刺してゆで具合をチェック。豚肉の上下を返して竹串を中ほどに刺し、赤みを帯びた肉汁がにじまなければOK。白い脂身側を上にすると肉汁の色がわかりやすい。

3ゆで汁を漉す

ゆで汁は炒める際に使うので、漉しておこう。

ゆで汁を漉す

4豚肉をスライスする

豚肉が常温に冷めたら、約200gを取り分けて厚さ2~3mmに切る。長ければ、食べやすい長さに切ろう。

豚肉をスライスする
薄く切るとカリッとした仕上がりになる。熱いうちに切ると肉汁が流れ出てしまうし、脂が柔らかく切りにくいので少し冷ますとよい。常温になっても切りにくければ冷蔵庫で少し冷やしてから再チャレンジ!

5野菜をカットする

玉ねぎは六つ割りにする。じゃがいもは皮付きのまま水を張った鍋に入れて10~15分ゆでて皮をむき、厚さ5~7mmに切る。

野菜をカットする
芋は後で加熱するので軽くゆでる程度に。

6じゃがいもを素揚げする

鍋に油を入れて中火にかけ、高温(180~190℃)になったら5のじゃがいもを入れる。じゃがいもの表面が固まって、縁が薄く色づくくらいになったら油から引き上げる。

じゃがいもを素揚げする
じゃがいもを素揚げする

7油ならしをする

中華鍋か深めのフライパンを煙が立つくらいまで強火でから焼きし、冷たい油1/2カップを流し入れて、玉杓子で全体に回してから油をオイルポットなどに戻す。

油ならしをする
鍋に油膜をつくり、素材を鍋底にくっつきにくくする中国料理の技。フッ素樹脂加工のフライパンなら不要。

8豚肉を加える

すぐに7の鍋を中火にかけて油大さじ2を入れて鍋底に回し、4の豚肉を一枚ずつ広げて並べ、強火にする。

豚肉を加える

9焼き目をつける

10~15秒そのまま加熱したら、玉杓子かヘラで全体をざっと混ぜながら炒める。

焼き目をつける
端がカリっとしたらOK。焼き目をつけて香ばしさをアップ!

10野菜を加える

豚肉を炒めている鍋に5の玉ねぎを加え、強火で混ぜながら炒める。焦げつきそうになったら豚肉のゆで汁を加え、全体に油が回って玉ねぎがツヤツヤになったら、バットなどに取り出す。

野菜を加える

11調味料を炒める

10の鍋に油大さじ1、豆板醤を入れて強火にかけ、混ぜながら炒める。香りが立ったら中火にして甜麺醤を加え、混ぜてなじませる。

調味料を炒める

12材料を合わせる

10の下炒めした材料、6のじゃがいもを戻し入れて強火にし、全体を大きく混ぜ合わせながら炒める。

材料を合わせる

13完成

醤油、紹興酒をその都度混ぜながら順に加えて手早く炒める。紹興酒の水分がとんで、全体の色合いが均一になったら出来上がり!

完成
じゃがいもが崩れないよう手早く和えるくらいのイメージで。
完成

教える人

山村光恵 中国四川料理「梅香」オーナーシェフ

山村光恵 中国四川料理「梅香」オーナーシェフ

東京・神楽坂にある四川料理店「梅香」を営むオーナーシェフ。四川にも何度も足を運び、本場の味を研究している。

外観
水煮牛肉1,980円や陳麻婆豆腐1,540円など代表的な四川料理がずらり。季節のお薦めコースは6,600円。

店舗情報店舗情報

梅香
  • 【住所】東京都新宿区横寺町37-39
  • 【電話番号】03-3260-2658
  • 【営業時間】12:00~13:30(L.O.)、17:30~20:30(L.O.)、土日祝は~20:00(L.O.)、火曜、日曜は夜のみ
  • 【定休日】月曜
  • 【アクセス】東京メトロ「神楽坂駅」1番出口より5分、都営大江戸線「牛込神楽坂駅」A2出口より1分

文:遠藤綾子 写真:工藤睦子

※この記事の内容はdancyu2013年4月号に掲載したものです。