今日、なにつくる?
すっきりとしたピリ辛味が後を引く"王道回鍋肉"|プロの技でつくる絶品豚バラ中国料理①

すっきりとしたピリ辛味が後を引く"王道回鍋肉"|プロの技でつくる絶品豚バラ中国料理①

中国おかずの大定番「回鍋肉(ホイコーロー)」。今回は神楽坂の名店「梅香(メイシャン)」に、絶品回鍋肉をつくるためのコツを習ってきました。

がっつりパワフル!

回鍋肉(ホイコーロー)は麻婆豆腐や青椒肉絲(チンジャオロースー)と並ぶ、中国おかずの人気者。豚肉とキャベツに甘辛の味噌味がからんだ食欲をそそる味わいでおなじみだが、実は本式回鍋肉はちょっと違う。「キャベツを使うのは日本式。豚肉も日本ではいきなり薄切り肉を使ったりしますが、本当は豚の皮付き塊肉をゆでて薄く切ってから炒めるんです」と、回鍋肉の故郷・四川に何度も足を運んでいる「梅香(メイシャン)」(東京・神楽坂)の山村光恵シェフ。
そもそも中国語で“回”とは「帰る」「戻す」の意。つまり、本来の回鍋肉は「一度調理した肉を鍋に戻す」料理なのだ。「あらかじめ塊でゆでることで豚肉の旨味が凝縮するし、炒める際も手早く香ばしく仕上がります。ひと手間ですが、ずいぶん違いますよ」
さらには、ゆでた豚肉も野菜も“2段階炒め方式”を推奨。一度目はそれぞれにベストの食感を引き出すよう時間差をつけて材料を投入。ここでほぼ火を通し、二度目の炒めで味つけをして一気に仕上げる。これで味も食感もビシッと決まった仕上がりになるのだ。
今回は豚肉のおいしさが際立つスタンダードな“肉食”バージョンをご紹介。

豚肉はぜひ塊で!

実際に使うのは200gだが大きめの塊のほうが旨味が逃げないので、ゆで豚肉は500~600gでつくるのがお薦め。冷蔵庫で約3日間保存可。回鍋肉のほかにもさまざまな料理に活用できる。

王道回鍋肉のつくり方

材料材料 (2人分)

豚バラ肉500~600g
長ねぎ約8cm
生姜1片
キャベツ1/8個
ピーマン1個
豆板醤大さじ1と1/2
豆豉小さじ1弱(大豆を塩漬けにし、発酵させて乾燥させたもの。味噌のコクと独特の風味、まろやかな塩気がある)
砂糖ひとつまみ
紹興酒小さじ1
サラダ油適量

1豚肉を茹でる

鍋に豚肉、長ねぎ、生姜を入れ、肉がかぶるくらいの水(分量外)を注ぎ入れて、強火にかける。沸いたら弱火にし、コトコト沸くくらいの火加減を保つ。

豚肉を茹でる
豚肉は脂が覆っている側を下に。こうすると肉が浮きにくく、火の通りが均一に。グラグラ沸かすと豚肉が硬くなるので要注意!

2こまめにアクをすくう

途中、アクが浮いてきたらその都度すくい取る。豚肉の表面が水面より出てしまうようなら湯を足し、20~30分ゆでて、取り出す。

こまめにアクをすくう
こまめにアクをすくう
約20分経ったら竹串を刺してゆで具合をチェック。豚肉の上下を返して竹串を中ほどに刺し、赤みを帯びた肉汁がにじまなければOK。白い脂身側を上にすると肉汁の色がわかりやすい。

3ゆで汁を漉す

ゆで汁は炒める際に使うので、漉しておこう。

ゆで汁を漉す

4豚肉をスライスする

豚肉が常温に冷めたら、約200gを取り分けて厚さ2~3mmに切る。長ければ、食べやすい長さに切ろう。

豚肉をスライスする
薄く切るとカリッとした仕上がりになる。熱いうちに切ると肉汁が流れ出てしまうし、脂が柔らかく切りにくいので少し冷ますとよい。常温になっても切りにくければ冷蔵庫で少し冷やしてから再チャレンジ!

5キャベツをカットする

キャベツは芯を切り除いて約5cm角に切り、一枚ずつばらしておく。

キャベツをカットする

6ピーマンをカットする

ピーマンは縦半分に切り、ヘタと種を除く。さらに縦に五~六つに切る。

ピーマンをカットする

7油ならしをする

中華鍋か深めのフライパンを煙が立つくらいまで強火でから焼きし、冷たい油1/2カップを流し入れて、玉杓子で全体に回してから油をオイルポットなどに戻す。

油ならしをする
鍋に油膜をつくり、素材を鍋底にくっつきにくくする中国料理の技。フッ素樹脂加工のフライパンなら不要。

8豚肉を加える

すぐに7の鍋を中火にかけて油大さじ2を入れて鍋底に回し、4の豚肉を一枚ずつ広げて並べ、強火にする。

豚肉を加える

9焼き目をつける

10~15秒そのまま加熱したら、玉杓子かヘラで全体をざっと混ぜながら炒める。

焼き目をつける
端がカリっとしたらOK。焼き目をつけて香ばしさをアップ!

10野菜を加える

9にキャベツ、ピーマンを順に加えて、大きく混ぜながら炒める。ここも必ず強火で!焦げつきそうになったら、3のゆで汁を約大さじ1加えて全体に回して炒めよう。

野菜を加える
野菜を加える

11一旦取り出す

全体に油が回ってキャベツがツヤツヤになったらバットなどに取り出す。

一旦取り出す

12調味料を炒める

11の鍋に油大さじ2弱、豆板醤を入れて強火にかけ、焦げつかないよう玉杓子かヘラで混ぜながら炒める。

調味料を炒める
たっぷりの油で強火で炒めると豆板醤の香りがぐっと引き出せる。

13炒めた材料を戻す

豆板醤の香りが立ったら、ゆで汁大さじ1を加えて混ぜて強火にし、11の下炒めした材料を戻し入れ、全体を混ぜ合わせながら炒める。

炒めた材料を戻す

14完成

豆板醤が全体に回ったら、豆豉、砂糖、紹興酒をその都度混ぜながら順に加えて手早く炒める。紹興酒の水分がとんで、全体の色合いが均一になったら出来上がり!

完成
焦げつきそうになったら、ここでもゆで汁を少しずつ加える。
完成
ゆでてから切り、2段階で炒めた豚肉は香ばしくも旨味ぎっしり。豆板醤と豆豉、豚肉の脂の香りが相まって食欲を猛烈にそそる。シャキッと仕上げたキャベツの食感がこれまた心地よい。

教える人

山村光恵 中国四川料理「梅香」オーナーシェフ

山村光恵 中国四川料理「梅香」オーナーシェフ

東京・神楽坂にある四川料理店「梅香」を営むオーナーシェフ。四川にも何度も足を運び、本場の味を研究している。

外観
水煮牛肉1,980円や陳麻婆豆腐1,540円など代表的な四川料理がずらり。季節のお薦めコースは6,600円。

店舗情報店舗情報

梅香
  • 【住所】東京都新宿区横寺町37-39
  • 【電話番号】03-3260-2658
  • 【営業時間】12:00~13:30(L.O.)、17:30~20:30(L.O.)、土日祝は~20:00(L.O.)、火曜、日曜は夜のみ
  • 【定休日】月曜
  • 【アクセス】東京メトロ「神楽坂駅」1番出口より5分、都営大江戸線「牛込神楽坂駅」A2出口より1分

文:遠藤綾子 写真:工藤睦子

※この記事の内容はdancyu2013年4月号に掲載したものです。