回鍋肉(ホイコーロー)と言えば、味は甘辛味。野菜はキャベツのイメージが強いですが、今回ご紹介するのは豆を使った鮮やかな色味が魅力の塩仕立て回鍋肉です。
3種類の豆それぞれの緑色と食感、風味を最大限に生かすために、軽くゆでてから2段階炒めに。腐乳のまろやかなコクが後をひく。ロゼのスパークリングワインなどにもぴったりだ。
実際に使うのは200gだが大きめの塊のほうが旨味が逃げないので、ゆで豚肉は500~600gでつくるのがお薦め。冷蔵庫で約3日間保存可。回鍋肉のほかにもさまざまな料理に活用できる。
豚バラ肉 | 500~600g(塊) |
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長ねぎ | 約8cm(青い部分) |
生姜 | 1片 |
そら豆 | 約6本(20粒(さや付き)) |
さやいんげん | 10本 |
スナップえんどう | 約10個 |
腐乳 | 大さじ1(なめらかにつぶす) |
塩 | ひとつまみ |
紹興酒 | 小さじ1 |
サラダ油 | 適量 |
※塩漬けにした豆腐を発酵させ、香辛料などを加えたもので、独特のにおいと味わいがある。たれや隠し味に使われる。
鍋に豚肉、長ねぎ、生姜を入れ、肉がかぶるくらいの水(分量外)を注ぎ入れて、強火にかける。沸いたら弱火にし、コトコト沸くくらいの火加減を保つ。
途中、アクが浮いてきたらその都度すくい取る。豚肉の表面が水面より出てしまうようなら湯を足し、20~30分ゆでて、取り出す。
ゆで汁は炒める際に使うので、漉しておこう。
豚肉が常温に冷めたら、約200gを取り分けて厚さ2~3mmに切る。長ければ、食べやすい長さに切ろう。
そら豆はさやから出す。さやいんげんは両端を約1cmずつ切り落とし、長さを3~4等分に切る。スナップえんどうは筋を取り除き、長さを2等分に斜め切りにする。
そら豆は沸いた湯で硬めにゆでて引き上げ、薄皮をむく。さやいんげん、スナップえんどうはグラグラと沸騰した湯に順に入れ、硬めにゆでて引き上げる。
中華鍋か深めのフライパンを煙が立つくらいまで強火でから焼きし、冷たい油1/2カップを流し入れて、玉杓子で全体に回してから油をオイルポットなどに戻す。
すぐに7の鍋を中火にかけて油大さじ2を入れて鍋底に回し、4の豚肉を一枚ずつ広げて並べ、強火にする。
10~15秒そのまま加熱したら、玉杓子かヘラで全体をざっと混ぜながら炒める。
豚肉を炒めている鍋に6の豆類を加え、混ぜながら強火で炒める。焦げつきそうになったら豚肉のゆで汁を加え、全体に油が回って豆がツヤツヤになったらバットなどに取り出す。
10の鍋に油大さじ1、腐乳を入れて中火にかけ、混ぜながら炒める。
香りが立ったら10の下炒めした材料を戻し入れ、豚肉のゆで汁大さじ1を加えて強火にし、全体を混ぜ合わせながら炒める。
腐乳が全体に回ったら、塩、紹興酒をその都度混ぜながら順に加えて手早く炒める。紹興酒の水分がとんで、全体の色合いが均一になったら出来上がり!
東京・神楽坂にある四川料理店「梅香」を営むオーナーシェフ。四川にも何度も足を運び、本場の味を研究している。
文:遠藤綾子 写真:工藤睦子
※この記事の内容はdancyu2013年4月号に掲載したものです。