これから食べ頃を迎えるかぼちゃのレシピを、フードコンサルタントの村上智華さんに4回シリーズで教わります。一品目はスイーツのような蒸しかぼちゃです。
フードコンサルタントの村上智華さんにかぼちゃのレシピを習ったところ、驚きの事実が発覚した。
「ホクホクして甘いかぼちゃが好き、という人が多いですが、じつは“ホクホク”と“甘い”は同時には成立しません。なぜなら、かぼちゃはでんぷん質が糖に変わる野菜だから。収穫直後は甘味が少なくてホクホクした粉質ですが、ねかせて追熟することででんぷん質が糖に変わり、甘味が増すんです」
村上さんは、それぞれの状態に合わせた調理法があるという。お店で売っているかぼちゃがどっちのタイプか見た目では判断でき
蒸し器に並べて柔らかくなるまで蒸すだけというシンプルなレシピながら、なるほど!と膝を打つポイントがひとつ。
「皮を横にして蒸してください。そうすれば固い皮で蒸気が遮られることなく、ほっこり蒸しあがります。皮を下にすると蒸気の水分がワタのあった部分にたまり、
かぼちゃにはメープル香があるので「文句なしに合う」というメープルシロップをかければ完成。ほっくりしたかぼちゃにシロップがしみこんだ味はまるでスイーツ。ぜひお試しを!
かぼちゃ | 1/3個 |
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メープルシロップ | 適量 |
かぼちゃは種とワタをとり、縦に2等分に切る。皮面を横にして蒸し器に並べ、水から蒸す。
沸騰したら強めの中火で20分ほど蒸す。竹串を刺してすっと通る柔らかさになればOK。
くずれやすいので気をつけながら器に取り出す。メープルシロップをかけて食べる。
北海道の農場で約18年間、個人客から高品質なスーパーマーケット、三ツ星レストランまで多くの取引きを経験。消費者向けのレシピを多数開発するほか、一人一人のシェフの好みや調理法にあった食材の提供をするなど、シェフからの人望も厚い。2022年、フードコンサルタントとして独立。
文:安井洋子 撮影:工藤睦子