
9月号掲載の「本当においしいとうもろこしの食べ方」でもご登場いただいた、北海道のスーパー農家「村上農場」。実は村上農場はかぼちゃもおいしいんです!これから食べ頃を迎えるかぼちゃのレシピを、農作物のテイスティング担当の村上智華さんに4回シリーズで教わります。一品目はスイーツのような蒸しかぼちゃです。
北海道・十勝の「村上農場」は、全国のシェフからも信頼の厚い、知る人ぞ知る農家。自社農場でつくった農産物のテイスティングを担当する村上智華さんにかぼちゃのレシピを習ったところ、驚きの事実が発覚した。
「ホクホクして甘いかぼちゃが好き、という人が多いですが、じつは“ホクホク”と“甘い”は同時には成立しません。なぜなら、かぼちゃはでんぷん質が糖に変わる野菜だから。収穫直後は甘味が少なくてホクホクした粉質ですが、ねかせて追熟することででんぷん質が糖に変わり、甘味が増すんです」
村上さんは、それぞれの状態に合わせた調理法があるという。お店で売っているかぼちゃがどっちのタイプか見た目では判断でき
蒸し器に並べて柔らかくなるまで蒸すだけというシンプルなレシピながら、なるほど!と膝を打つポイントがひとつ。
「皮を横にして蒸してください。そうすれば固い皮で蒸気が遮られることなく、ほっこり蒸しあがります。皮を下にすると蒸気の水分がワタのあった部分にたまり、
かぼちゃにはメープル香があるので「文句なしに合う」というメープルシロップをかければ完成。ほっくりしたかぼちゃにシロップがしみこんだ味はまるでスイーツ。ぜひお試しを!
かぼちゃ | 1/3個 |
---|---|
メープルシロップ | 適量 |
かぼちゃは種とワタをとり、縦に2等分に切る。皮面を横にして蒸し器に並べ、水から蒸す。
沸騰したら強めの中火で20分ほど蒸す。竹串を刺してすっと通る柔らかさになればOK。
くずれやすいので気をつけながら器に取り出す。メープルシロップをかけて食べる。
安全でおいしい農産物づくりに情熱を傾ける「村上農場」で、作物のテイスティングや消費者向けのレシピ発信を担当。研究熱心で、素材の持ち味をとことん引き出すことを常に考えている。シェフからの人望も厚い。
村上農場
本当においしい野菜を育てるべく、栽培から熟成まで研鑽を重ねる北の大地のスーパー農家。かぼちゃは農薬や化学肥料を使わずに育て、蜂で受粉し、収穫して発送する。10月1日~31日までの1ヶ月間、取り扱う予定。
TEL:01564‐2‐4614 北海道河東郡上士幌町字居辺東7線213
https://imomame.jp/
文:安井洋子 撮影:工藤睦子 農場写真:村上農場