鶏肉を熟知した焼鳥屋の鶏つまみは格別。焼鳥屋の新定番・レバーパテ、鶏皮の二杯酢、つくね……。プロの技を生かした、家庭でも再現できるレシピを一度は行きたい、憧れの名店で教わりました。
銀座の名店「バードランド」 の主人、和田利弘さんは、同業者からも尊敬を集める串焼き の名人。さらに、つまみの達人としての呼び声も高い。「どこにもない料理か、ほかとは歴然と味が 違うものをつくる」という高い志で、数々の名物を生み出してきた。そんな和田さんに、家でつくれる珠玉のつまみを教わった。
店でも人気なリッチな名物つまみ、レバーパテは血の塊を抜き、しっかり火を入れるので、レバー特有のクセは皆無 !出来たてのペーストはムースのように軽やかで、ホワイトチョコのように上品だ。近頃はレバーパテを出す焼鳥屋が増えたが、元祖はここ。白ワインが合う。
鶏レバー | 300g |
---|---|
玉ねぎ | 150g |
バター | 150g(食塩不使用(2cm角に切り、室温に戻しておく。 有塩バターを使う場合、塩は不要)) |
A | |
・ 水 | 300ml |
・ 醤油 | 大さじ2 |
・ 砂糖 | 大さじ1/2 |
・ 生姜 | 1片 |
・ ローリエ | 1枚 |
B | |
・ ブランデー | 20ml |
・ バルサミコ酢 | 小さじ1/2 |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
バゲット | 適量 |
鶏レバーはつながっている部分を切り離し、白い筋を切り取って、2cm幅に切る。断面に表れる血の塊が臭みのもと。
ボウルに入れ、流水にさらしながらレバーを洗う。血管が抜け出て水が濁ったらザルにあけ、水を替える。これを3~4回繰り返す。
鍋に湯を沸かし、臭み消しのために酢少々(分量外)を入れ、再度沸騰したらレバーを投入。 すぐに菜箸でかき混ぜると、残っていた血管が抜け出てくる。3分ほど強火でゆでたらザルにあけ、ボウルに移して再び流水で洗う。浮いてくるレバーのかけらは捨てる。
玉ねぎは四つ割りにしてから、繊維に直角に1cm幅に切る。鍋にレバー、玉ねぎ、Aを入れて、強火にかける。沸騰したらアクを取って中火にし、落とし蓋をして、時々混ぜながら、30分ほど煮る。
汁気が少なくなったら、生姜、ローリエを取り除き、水分がなくなるまで煮詰める。
熱いうちにフードプロセッサーに移し、10秒ほど攪拌する。レバーのざらつき感がやや残っている状態がよい。バターを2回に分けて入れ、数秒ずつ攪拌する。Bを加え、はねないようにガッガッと小刻みに攪拌してから、さらに10秒ほどガーッとかけて、なめらかなペースト状にする。
器の内側にバター(分量外)を塗り、レバーパテを流し入れる。常温まで冷めたらOK。軽くトーストしたバゲットにつけて食べる。冷蔵庫で1週間ほど保存可能。
文:安井洋子 写真:鈴木泰介
学生時代は税理士を目指していたが、バイトで働き始めたもつ焼き屋で頭角を現し、焼鳥屋の道へ。ワイン好きゆえ洋風のつまみも得意。
※この記事の内容はdancyu2015年月7号に掲載したものです。