焼鳥の名店「バードランド」では、洋風つまみも豊富です。フランスの伝統料理である赤ワイン煮をアレンジした、醤油香る和洋折衷つまみを教わりました。
フランス伝統の雄鶏の赤ワイン煮(コック・オー・ヴァン)をアレンジした一品。余熱で仕上げた肉質はしっとりなめらか。赤ワインは渋すぎないものがいい。和田利弘さんは、仏ラングドック地方のシラー&グルナッシュを使用。
おいしくつくるコツは、臭みのもとになる鶏肉の表面の水分を拭いたり、噛み心地を悪くする白い筋を取るなどの手間を惜しまないこと。調味料も大事だ。
「醤油や味醂は質のいいものを。調理に使うワインや日本酒も、飲んでおいしいものを使ってください。確実に味に差が出ますから」
鶏肉にも旨い酒をお裾分けするくらいの広い心で、ぜひとも!
鶏もも肉 | 2枚 |
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玉ねぎ | 180g |
A | |
・ 赤ワイン | 200ml |
・ 醤油 | 100ml |
・ 砂糖 | 大さじ1 |
・ 黒粒胡椒 | 4粒 |
・ クローブ | 3粒 |
・ ローリエ | 1枚 |
※たこ糸を4mほど用意する。
鶏もも肉はキッチンペーパーで表面の水分を拭く。皮を下にして置き、白い筋は切り取る。
肉の厚い部分をそぎ取り、薄い部分に重ねて、できるだけ平らな状態にする。
辺の長いほうをくるりと巻いて円筒形にし、たこ糸で結ぶ。肉一枚につき2mほどのたこ糸を使用。まず肉の端に結び、ぐるぐると往復させて巻く。中の肉が飛び出さないよう、きつく巻きすぎないのがコツ。
玉ねぎは縦に8等分に切り、繊維に直角に1cm幅に切る。
鍋に3のロール肉を並べ、隙間に玉ねぎを入れる。Aを加えて、強火にかける。沸いたらアクを取って中火にし、落とし蓋をする。5分ほどグツグツ煮たら、ロール肉の上下を返し、さらに7~8分煮る。
肉の下まで金串を刺してから唇の下に当て、火の通り具合を確認。金串がぬるめのお風呂ぐらいに温かければOK。鍋に蓋をして、ガス台からおろし、12分ほど置き、余熱を入れる。
ロール肉を取り出す。煮汁は漉して別の鍋に移し、強火で半量になるまで煮詰める。肉からたこ糸を外し、1cm幅に切って皿に盛りつけ、煮詰めたソースをかける。
文:安井洋子 写真:鈴木泰介
学生時代は税理士を目指していたが、バイトで働き始めたもつ焼き屋で頭角を現し、焼鳥屋の道へ。ワイン好きゆえ洋風のつまみも得意。
※この記事の内容はdancyu2015年月7号に掲載したものです。