抹茶スイーツレシピ
口の中であっという間に溶ける"抹茶ババロア"

口の中であっという間に溶ける"抹茶ババロア"

空気を食べているような軽い口当たりで、クリーミーさの中にも抹茶の香りと心地いい苦味が感じられる。

何個でもいける軽やかさ

少しだけ空気を含んだババロアは、“ふわっぷるっ”のゼリーのようで口に入れると、あっという間に溶けていく。抹茶のほろ苦さで甘さがやわらぎ、ぺろりと完食してしまうおいしさです。

抹茶の扱い 四カ条
その一  日本茶専門店の抹茶を使う
製菓用の抹茶でもいいが、日本茶専門店の抹茶でつくってみよう。価格は手頃なものでも大丈夫。抹茶独特の苦味や味わいはもちろん、鮮やかな緑色と香りは別物である。

その二  使う前に、必ずふるう
抹茶は繊維が強いのでダマになりやすい。茶漉しでふるうことで 細かな粒状になり、よりなめらかな舌ざわりになる。このひと手間が、仕上がりを格段に上等にする。面倒だからと省くなかれ。

その三  ケチらず、欲張らず、分量通りに
抹茶は贅沢品だから色がつく程度にふりかければ……、なんて大きな間違い。だからといって多すぎると苦味ばかりが前面に出る。分量をきちんと量り、最高の香りと風味を引き出そう。

その四  砂糖とよく混ぜ合わせる
抹茶を水に溶かすには茶せんが便利だが、なくても大丈夫。あらかじめ砂糖と合わせることによって、抹茶が溶けやすい状態に。ダマになりにくく、菓子づくりがスムーズになる。

抹茶ババロアのつくり方

材料材料 (直径7cm×高さ5cmのゼリー型5個分)

抹茶小さじ1・1/2
グラニュー糖45g
卵黄2個分
牛乳100ml
粉ゼラチン5g
生クリーム100ml(乳脂肪分35%)

1下準備

粉ゼラチンは、冷水25mlを入れてよく混ぜ、冷蔵庫で30分ほどふやかしておく。

2抹茶とグラニュー糖と卵黄を混ぜる

ボウルに抹茶とグラニュー糖を入れて泡立て器で混ぜる。さらに卵黄を加え、とろっとするまでグルグルすり混ぜる。

抹茶とグラニュー糖と卵黄を混ぜる
抹茶とグラニュー糖と卵黄を混ぜる

3ゼラチンを加える

小鍋に牛乳を入れて中火にかけ、沸騰直前で火を止め、ふやかしたゼラチンをちぎり入れて溶かす。

ゼラチンを加える

4材料を混ぜ、漉す

3のゼラチンが完全に溶けたら、2のボウルに加える。泡立て器でよく混ぜ合わせ、茶漉しなどで漉す。

材料を混ぜ、漉す
2のゼラチンが完全に溶けたら、1のボウルに加える。泡立て器でよく混ぜ合わせ、茶漉し などで漉す。材料を混ぜ、漉す材料を混ぜ、漉す

5生クリームを泡立てる

別のボウルに生クリームを入れ、氷水に当てながら泡立てる。軽くとろみがつき、泡立て器で持ち上げてもすぐ垂れて、液面に少し跡が残るくらい(五分立て)まで。

生クリームを泡立てる

6荒熱をとる

4の氷水に当て、ゴムベラで混ぜながら粗熱を取る。とろりとしたとろみがつくまで、冷やす。とろみがついたら、氷水から外す。

荒熱をとる

7均一になるよう混ぜる

5を半量ずつ加え、その都度ゴムベラで全体が均一になるように混ぜ合わせる。

均一になるよう混ぜる

8冷やし固める

ゼリー型に静かに流し入れ、冷蔵庫で1時間ほど冷やし固める。

冷やし固める

9仕上げ

40℃くらいの湯にゼリー型ごとくぐらせ、指先で縁の部分から押し出すようにして、型から取り出す。

仕上げ
仕上げ

教える人

飯塚有紀子

飯塚有紀子 料理研究家

料理研究家。グラフィックデザイナー。お菓子教室un pur…(アンピュール) 主宰。老舗和菓子店のメニュー開発やパッケージデザインまで、多岐にわたって活躍。著書に『やさしいお菓子(』雷鳥社)など。

文:石出和香子 写真:福尾美雪

※この記事の内容はdancyu2014年6月号に掲載したものです。