ついつい手が伸びる抹茶のアイスクリーム。 苦味と甘味のバランスが、大人びた味わい。 ゼラチンで固めているからすぐには溶けず、クリーム感が持続します。
甘いものがそれほど好きなわけでもないのに、どうにも気になる抹茶の菓子。
「チョコレートと同じ。苦味と香りが甘さをやわらげるので、甘いものが苦手でも、抹茶のお菓子を好きな人は意外と多いんです」と料理研究家の飯塚有紀子さん。納得のひと言だ。
抹茶菓子の魅力は、なんと言ってもほろ苦さと香り。それを生かすために、ぜひ日本茶専門店の抹茶を使おう。そして抹茶そのものはかなり苦いので、砂糖でしっかり甘味をつけることも重要。一口食べるとふわっと口の中で溶け、爽やかな香りと心地いい苦味が広がる。乳製品との相性がいいので、アイスクリームやババロアに入れると最高においしい。
そんな抹茶に夢中になる、冷たい菓子を教えていただいた。
抹茶 | 小さじ4 |
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グラニュー糖 | 60g |
牛乳 | 100ml |
粉ゼラチン | 5g |
卵黄 | 2個分 |
生クリーム | 200ml(乳脂肪分35%) |
★ メレンゲ | |
・ 卵白 | 2個分 |
・ グラニュー糖 | 50g |
・卵は卵黄と卵白に分け、卵白はボウルごと冷蔵庫で冷やしておく。
・ゼラチンは、冷水25mlを入れてよく混ぜ、冷蔵庫で30分ほどふやかしておく。
ボウルに抹茶とグラニュー糖を入れて泡立て器でよく混ぜる。
小鍋に牛乳を入れて中火にかけ、沸騰直前で火を止め、ふやかしたゼラチンをちぎり入れて溶かす。
3のゼラチンが完全に溶けたら、2のボウルに加え、泡立て器でよく混ぜる。
卵黄を1個分ずつ加え、その都度よく混ぜ合わせる。
別のボウルに生クリームを入れ、氷水に当てながら、持ち上げても垂れずひとまとまりになるくらい、固く泡立てる。
さらに別のボウルでメレンゲをつくる。卵白にグラニュー糖小さじ1ほど入れ、泡立て器で泡立てる。少量入れることで泡立ちやすくなる。約3分後、全体が白っぽく、ゆっくり垂れる固さになったら、残りのグラニュー糖を2回に分けて加え、約7分間、角がしっかり立つまで泡立てる。
5を氷水に当て、少しゼラチンが固まってふるふるっとするまで、冷やす。
8に6の生クリームを半量ずつ加え、その都度泡立て器でよく混ぜ合わせる。2回に分けることで、混ぜやすくなる。
7のメレンゲを半量ずつ加え、その都度ゴムベラで泡を潰さないように、大きくあおるように混ぜる。
満遍なく混ざったら、容器に流し入れ、冷凍庫で8時間ほど冷やし固める。器に盛りつけて完成。
料理研究家。グラフィックデザイナー。お菓子教室un pur…(アンピュール) 主宰。老舗和菓子店のメニュー開発やパッケージデザインまで、多岐にわたって活躍。著書に『やさしいお菓子(』雷鳥社)など。
文:石出和香子 写真:福尾美雪
※この記事の内容はdancyu2014年6月号に掲載したものです。