肉にワインもいいけれど、実は日本酒にもよく合うんです。素材を生かしたイタリア料理で定評のある「パッソ・ア・パッソ」の有馬邦明さんに、日本酒に合う肉つまみを教えて貰いました。
ミスマッチと考えがちな牛肉と日本酒。だが、牛肉のパンチある旨味や香ばしさと日本酒は相性抜群。
赤身肉の旨味と、醤油の香ばしさ、みかんの爽やかな風味が一体となって迫り来る。醤油とみかん果汁をステーキ肉にかけて焼くだけ。これを一切れつまめば、酒がノンストップ。 これぞ有馬流の肉つまみの真骨頂!
牛もも肉 | 1枚(200g/ステーキ用) |
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にんにく | 2枚(薄切り) |
バター | 大さじ1/2 |
醤油 | 小さじ1 |
みかん | 1/2個 |
塩 | 少々 |
胡椒 | 少々 |
※塊肉を使う場合は、2cmくらいの厚さに切る。ステーキ用の肩ロース肉でも。
牛肉の両面に、焼く直前に塩、胡椒をふる。アルミホイルを広げて準備しておく。
フライパンを中火で熱し、バターとにんにくを入れて、香りが出てきたら牛肉を入れる。
5秒ほどで焼き目がついたらひっくり返して、鍋肌に醤油を回し入れ、みかんの果汁を搾り入れる。ジューッと煙が上がったらすぐに取り出すこと。表面に醤油とみかんの香りをまとわせるくらいで十分。
アルミホイルで包んで、こんろの周りや炊飯器の上など温かいところに15分置く。余熱でゆっくりと中まで火を通そう。
肉を取り出して、斜めに切る。薄切りにしても、厚さは好みでOK。残った肉汁を鍋に戻して塩(分量外)で味を調えてソースに。皿に肉を盛り、ソースを回しかけて完成。
一歩控えて 肉の甘味を引き立てる、 味わい穏やかなタイプ。
酒単独で飲むと穏やかで丸い印象だが、隠れた酸も効いている。そんなタイプの食中酒がぴったり。ローストビーフと合わせると肉の甘味が際立ち、醤油やみかんの香りを包んで、スケールの大きな風味の世界へと誘う。
文:山同敦子 写真:日置武晴
※この記事の内容はdancyu2013年3月号に掲載したものです。
イタリア各、地の店などで腕を磨き、2002年、東京・門前仲町に「パッソ・ア・パッソ」を開店。