食パンからはち切れんばかりに、むちむちと詰まったレモン色のオムレツ。口に運べば、とろける~かと思いきや、柔らかながらプリンッと程よい弾力が堪らない。
たまごサンドの激戦区である京都で名手と称される「グリルグリーン」シェフの足立浩行さんは「たまご本来の風味を薄めないように、牛乳などは一滴も加えません」と美味しさの秘訣を教えてくれた。それでいてふんわりと仕上げるコツは、一にも二にも焼き方だ。
たまごに空気を抱かせるようにスクランブル状にし、フライパンの縁に沿うように回しながら、大判焼きのごとく均一な厚みをもたせる。たまごにストレスを与えず優しくまとめることで、みずみずしい焼き上がりになる。これさえ心得れば、あとは熱々のうちにパンに挟むだけ。驚くほどシンプルな材料とステップで、目指せ、無敵のたまごサンド!
卵 | 3個(Lサイズ、常温に戻しておく) |
---|---|
塩 | 適量 |
胡椒 | 適量 |
バター | 20g(常温に戻しておく) |
食パン | 2枚(8~9枚切り) |
からしバター | 小さじ2(バター50gに練りがらし小さじ1/2) |
マヨネーズ | 小さじ2 |
パンの左右2辺の耳を切り落とす。からしバター、マヨネーズを2枚の片面に塗る。乾かないようにラップをかけておく。
卵をボウル(底が平らで浅いものがよい)に割り入れて塩、胡椒をし、菜箸で空気を含ませるように大きく混ぜる。ふっくらと仕上げるために、黄身と白身を完全に混ぜきらないようにする。
フライパンを強火で熱し常温に戻したバターを入れ、塊が溶けて泡立ったところに2を一気に流し入れる。フライパンの縁の卵液が固まり始めたら、全体を切るように手早く混ぜる。
ゆるいスクランブル状になったら、食パンに収まる程度の大きさになるよう、卵の外側から真ん中に織り込み丸くまとめ、上下を返したら火を止める。フライパンを揺すり、フライパンの縁を使って、まとめた卵をすべらせながら厚みを均一にし、形を整える。
4を1のパンに挟み、パンを潰さないように注意しながら、残っている2辺の耳を卵の端ごと切り落とす。3等分に切り、さらに横二つに切ったら、切り口を上にして盛りつける。
文:本庄彩 写真:東谷幸一
※この記事の内容はdancyu2017年4月号に掲載したものです。