イタリアンの名店「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」の目玉焼きは、ただの目玉焼きにあらず。一度注文した人のほとんどが次も頼むという、魅惑の目玉焼きを習った。
最愛のたまご料理は、と聞かれたら、迷わず「ラ・ベットラ」の目玉焼きと答えたい。皿の中にはどっさりのモッツァレラと半熟たまごが二つ。チーズに黄身をからめてあつあつとろとろを食べるのだ。その圧倒的なコク。しかしこの料理、ほかの店では見たことがない。「だって目玉焼きだもん、普通レストランでは出さないよね(笑)。でもこれ、れっきとしたローマ名物なんだよ。自分の店を出すときは絶対メニューに入れたかったんだ」と落合務シェフは言う。
かくして「ラ・ベットラ」が開店した19年前から、この目玉焼きは愛され続け、今も「一度注文した人のほとんどが次も頼む」というリピート必至メニューになっている。
つくり方は簡単。材料を耐熱容器に入れ、均一に熱が入るよう、いったん直火で温めてからオーブンで5分ほど焼くだけ。仕上げに好みでトリュフオイルを少々。濃厚でリッチなイタリア式目玉焼き、きっとあなたもやみつきです。
卵 | 2個 |
---|---|
グリーンアスパラガス | 1~2本 |
モッツァレラチーズ | 50g(フレッシュ) |
パルミジャーノチーズ | 大さじ1 |
トマトソース※ | 大さじ1 |
オリーブオイル | 小さじ1/2 |
トリュフオイル | 少々 |
塩 | 適量 |
※今回は家庭向けの手軽なトマトソースレシピを教えてもらった。
ホールトマト1缶(400g)を手でつぶし、芯を取り除く。鍋に入れ、オリーブオイル大さじ1と塩小さじ1/3を加えて強火にかける。沸騰したら弱火にして3~4分煮詰めれば出来上がり。
アスパラガスは根元の硬い部分を除いて硬めにゆで、斜めに切っておく。オーブンは180度に予熱する。
直火にかけられる耐熱容器(店では直径16cmの鋳物皿を使用)にオリーブオイルを指で塗る。容器の底にトマトソースをのばし、アスパラガスを散らし、卵を割り入れる。
塩をふり、黄身の上を避けてモッツァレラチーズをちぎりながらのせる。さらにパルミジャーノチーズを散らす。
耐熱容器を中火にかけ、縁がふつふつとしてくるまで温める。ここで器を加熱しておくことで、スピーディかつバランスよく全体に火が入る。
180度のオーブンで5~7分焼く。焼き加減は好みで調節を。仕上げに、あればトリュフオイルを回しかける。
文:北條芽以 写真:鈴木泰介
※この記事の内容はdancyu2017年4月号に掲載したものです。