“野菜たっぷり肉ちょっと”の餃子ももちろんいい。でも、本当に食べたいのは肉たっぷり野菜ちょっとの肉肉しい餃子!そんな肉好きの方々に贈る、珠玉の肉餃子レシピです。肉好き料理研究家の坂田阿希子さんが試作を重ねてたどり着いたのは、肉ならではの噛みごたえと旨味、かじりついた途端にあふれ出る肉汁のジューシーさが絶妙なバランスで同居する"肉肉餃子"。材料はシンプルながら、挽き肉とたたき肉のダブル肉使い、お手軽鶏スープ、長ねぎの刻み方など、ところどころに納得の技ありです!
餃子の皮 | 20枚(市販・厚め・大判) |
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餡 | |
・ 豚挽き肉 | 200g |
・ 豚肩ロース肉 | 100g(塊、もしくは厚切りでも) |
・ 鶏スープ | 70cc |
・ 長ねぎ | 1本 |
・ ラード | 小さじ1と1/2 |
・ 塩 | 小さじ1/3 |
・ 白胡椒 | 少々 |
・ 酒 | 大さじ2 |
・ 醤油 | 大さじ2 |
・ 胡麻油 | 小さじ2 |
・ 生姜 | 大1片分 |
・ 水 | 1/2カップ |
・ サラダ油 | 適量 |
・ 胡麻油(白) | 適量 |
簡単かつ濃厚な鶏スープで、肉肉餃子のジューシー感と旨味をバックアップ!鶏スープの出来上がり量は約800ml。残りの鶏スープはほかの肉餃子に使うほか、煮立てて塩で調味し、溶き卵を流せば中国風のスープに。また、スープをこした後の鶏挽き肉は味噌や砂糖などを加え、加熱しながら練って肉味噌に。きゅうりやレタスに添えれば、立派な1品になる。
鶏挽き肉 | 200g |
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長ねぎ | 1本分(青い部分) |
生姜 | 1~2枚(薄切り) |
水 | 4カップ |
鍋に鶏挽き肉、水を入れ、泡立て器で挽き肉をほぐすように混ぜ合わせる。
ねぎの青い部分、薄切りにした生姜を加えて強火にかけ、煮立ったら、アクを軽く取り除き、弱火にして15分煮る。
キッチンペーパーを敷いた金ザルでこす。常温まで冷ます。
挽き肉とたたき肉のダブル肉に濃厚な鶏スープをたっぷり吸わせる。長ねぎは単なるみじん切りではなく粗めに切ると、意外にも肉肉しさを引き立てる。鶏スープをしっかりもみ込んでから冷蔵庫でひと休み。味もなじみ、グンと扱いやすくなる。
豚肩ロース肉は幅1cm弱に切ってから、1cm弱角に切り、軽くたたいて粗めのみじん切りにする。
長ねぎは斜めに幅約5mmの切り込みを入れる。返して反対側も同様に切り込みを入れ、端から幅5mmに切る。
ボウルに豚挽き肉、1の肉を入れる。冷ました鶏スープ70mlと塩少々(分量外)を混ぜ、ボウルに加えてもみ込む。
肉とスープが一体化したら、ラードを加えて練る。白っぽくなりねっとりしたらラップをかけ、冷蔵庫に20分おく。
肉だねに塩、白胡椒、酒、醤油、胡麻油を加えて手で均一になるまでよく練り混ぜる。
2の長ねぎ、すりおろした生姜を加えて均一になるまで練り混ぜる。
肉肉しさとジューシーさを堪能するには、餡多めで包むのがマスト!もみ込んだスープが出ないよう、合わせ目はきっちりとじること。
皮を手のひらにのせ、餡約大さじ1をヘラですくって真ん中にのせる。包みにくい場合は、縁に水少々をつける。
半分に折りたたみ、縁の中心を右手の親指と人差し指でつまみ合わせてしっかり留める。
中心にかぶせるように左右に3つずつひだを寄せてとじる。
焼く際に合わせ目からスープが逃げないよう、最後に合わせ目をしっかりと押さえて留める。
目指すはカリッとした焼き上がり。焼き初めからフィニッシュまで火は強めを貫いて。
鉄のフライパンを強めの中火にかけ、サラダ油約大さじ1を入れてなじませてから餃子を並べ入れる。すき間なく並べると、焼き上がりに迫力が出る。
薄く焼き色がついたら水を加える。すぐに蓋をする。
ジュージューという音がパチパチに変わったら蓋を取り、水分が少なくなっていたら強火にし、胡麻油約小さじ2 を鍋肌から回し入れる。
水分がなくなり、しっかりと焼き色がついたら、器に移して出来上がり~!移し方はお好みで。坂田さんは火を止めてフライパンに皿を逆さまにしてかぶせ、手で押さえながらひっくり返して気合を入れつつ一気に移す派。もちろん、フライ返しを差し込んで移してもおいしさは変わりません!
フランス菓子店やフランス料理店で経験を重ね、独立。料理教室「studioSPOON」を主宰しつつ、昨秋、代官山に「洋食KUCHIBUE」をオープン。フランス料理やエスニック料理などジャンルを飛び越えておいしいものへの探究心が旺盛で、プロの手法と自らの経験を活かした生命力あふれる料理にファン多し。
文:遠藤綾子 写真:原ヒデトシ スタイリング:肱岡香子
※この記事の内容はプレジデントムック技あり!dancyu「ギョーザ」に掲載したものです。