冬にぴったりのあったかレシピ
季節料理と酒の店「山食堂」の"みそ汁"

季節料理と酒の店「山食堂」の"みそ汁"

山食堂のみそ汁は、布海苔が全体にとろみをもたせ、シャッキリした小松菜やねぎ、汁を吸った庄内麸もだんだんとなじんで椀の中で一体となっていく。ゆっくり心と体にしみる味わいだ。

加熱と冷ましによって深まる味

煮干しと昆布のだしは、漉す必要がないのが楽チン。だしをひいた後に保存できるので、倍量でつくっておけば使いたいときすぐに使える。布海苔や庄内麸は乾物なので保存がきき、戻す必要もない便利な具。ただし布海苔を店頭で見つけるのは難しかった。「ふのり」でネット検索するといくつも出てくる。ボリュームがある味噌汁なので、これとご飯があれば昼食は満足。

山食堂のみそ汁のつくり方

材料
味噌汁のだしは煮干しと昆布(中央)。味噌は2 種類(右)を混ぜる。具は4種類。東日本大震災の復興支援で出会った岩手の布海苔(左下)や、全国の数ある麸の中から、程よいボリュームが気に入った庄内麸(左中)がユニーク。

材料材料 (4~5人分)

だし
・ 水1L
・ 煮干し20g
・ 昆布5g
白味噌50~60g(信州味噌)
麦味噌20g
小松菜2束
ねぎ1/2本(50g小口切り)
布海苔7.5g(汚れが気になる場合は、水でさっと洗い流す。)
庄内麸15g

1煮干しと昆布を水に浸す

鍋(または容器)に水、煮干し、昆布を入れて、冷蔵庫で一晩置く。

煮干しと昆布を水に浸す

2火にかける

鍋を中火にかける。アクを取り、泡が大きくなり始める沸騰直前に火を止める。ここまで7~8分かかるのが火加減の目安。

火にかける

3冷ます

煮干しと昆布を入れたまま鍋ごと冷ます。完全に冷めたら、煮干しと昆布を取り出す。このまま冷蔵で2~3日保存可能。

冷ます

4小松菜の準備

鍋に湯を沸かす。小松菜の茎の部分だけ先に湯につけてゆでる。30秒ほどしたら全体を沈め、茎がくったりするまでゆでる。氷水に取って冷まし、よく絞る。茎のほうは4~5cm、葉のほうは2~3cmに切り、再度、ギュッと絞って水気をきる。

小松菜の準備

5味噌を溶き、具材を入れる

3を中火にかける。沸騰したら火を止めてアクを取り、味噌を入れる。ダマが残らないよう、泡立て器でしっかりと溶く。具を、布海苔、庄内麸、小松菜の順に入れる。庄内麸は、食べやすい大きさになるよう、手で割りながら入れる。最後に、小口切りにしたねぎをたっぷり入れ、再び火にかける。

味噌を溶き、具材を入れる

6仕上げ

沸騰直前で火を止めたら、出来上がり。具が柔らかくなりすぎないよう、加熱のしすぎに注意。

仕上げ

店舗情報店舗情報

山食堂
  • 【住所】東京都江東区三好2‐11‐6
  • 【電話番号】03‐6240‐3953
  • 【営業時間】17:30~21:00(L.O.)
  • 【定休日】金曜 他不定休あり
  • 【アクセス】東京メトロ・都営大江戸線「清澄白河駅」より5分

文:浅妻千映子 写真:宮濱祐美子

※この記事の内容はdancyu2019年2月号に掲載したものです。

浅妻 千映子

浅妻 千映子 (食ライター)

大学卒業後、3年間のゼネコン勤務ののち、ライターに。雑誌やweb等で活躍。料理研究家としてレシピ開発も。著書に『江戸前握り』『パティシエ世界一』(光文社新書)など、レシピ本に『浅妻千映子キッチン』(ぴあ)、『ほめられレシピ』(主婦と生活社)がある。『東京最高のレストラン』(ぴあ)の審査員。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。