旬の野菜の知恵袋。
「カリフラワー爆弾肉団子」はベトナムの味。

「カリフラワー爆弾肉団子」はベトナムの味。

冬に旬を迎えるカリフラワーを包んで肉団子をつくります。料理研究家の植松良枝さんがベトナムで出会った味を再現します。アツアツの揚げたて肉団子は、ごはんとの相性も抜群。ビールを誘うおつまみにもぴったりな味わいです。

ベトナム人は野菜がお好き。

カリフラワーは東南アジア、ベトナムでよく食べられています。
絹さやきくらげ、ときに牛肉などと一緒にシンプルに炒め、ヌクマムやシーズニングソースで軽く味付けし、黒胡椒をたっぷりと振ったものがポピュラー。
炒めてものこる、こりっとした食感が人気の理由なのでしょう。もちろん日本人の口にも合う味わいです。

植松良枝さん
「海外での野菜使いは、日本人には思いつかないようなものが山ほどあります」と語る料理研究家の植松良枝さん。

ベトナムというと1年中暑いイメージの国ですが、高原地帯のダラットという町は晩秋のような寒さの日があって、南側に位置するホーチミンでは見かけないような野菜がたくさん売られています。

ちなみに、ホーチミンで売られているレタスなどの暑さに弱い野菜は、高原地帯であるダラットでつくられているものが多いんですよ。肉厚なグリーンのピーマン「ダラットピーマン」も有名です。

そんなダラットの地で出会ったカリフラワー料理を紹介します。肉団子のい形状で、カリフラワーを小房のまま肉だねで丸く包んで揚げた料理。半分に切ると、カリフラワーのかわいい形も楽しめる料理法です。

カリフラワー爆弾肉団子
カリッと揚がった肉と、生に近いカリフラワーのコリコリとした食感がとても合うのです。

つけだれは塩胡椒にライムを絞ったものや甘酢だれなど、お好みで選んでください。私はチリソースとの相性のよさに思わず唸りました。
レシピでは歯ごたえが残るよう、カリフラワーを生のまま包み揚げしましたが、ほくほくっとした食感を求めるなら、電子レンジなどで少し加熱してから、同様に揚げるてもよいと思います。

カリフラワー爆弾肉団子のつくり方

材料材料 (3〜4人分)

カリフラワー大1/2株(小なら1株)
玉ねぎ1/2個
パクチーの茎根2株分
A 生パン粉20g
A 牛乳大さじ3
A ひき肉300g
A 溶き卵1/2個分
A 粗挽き黒胡椒小さじ1
A 塩小さじ1と1/2
片栗粉適量
揚げ油適量
材料

1切る

カリフラワーは茎が長めにのこるよう小房に切りわける。玉ねぎとパクチーの茎根はみじん切りする。生パン粉は牛乳に浸しておく。

カリフラワーは小房に分ける
玉ねぎとパクチーの茎根はみじん切りする

2ひき肉を練る

Aをすべてボウルに入れ、肉の粘り気が出るまでよく混ぜ合わせる。パクチーと玉ねぎを加えて、さらに混ぜ合わせる。

粘りが出るまでよく混ぜ合わせる
野菜からは水分が出るので、肉に粘り気が出てから加えましょう。
まとめたもの

3包む

手にサラダ油(分量外)を塗り、2を手のひらの上で厚さ1cmに広げる。肉だねの中央にカリフラワーをのせ、房全体をひき肉で包む。

カリフラワーの房全体をひき肉で包む
カリフラワーの房全体をひき肉で包む
揚げる前
茎は包まずにおくと、揚げるときにつまめる、切り方向もわかります。

4揚げる

鍋で揚げ油を170度に熱しておく。揚げる直前に3の表面に片栗粉をうすくまぶし付け、カリフラワーの茎をつまみがら揚げ油の中に入れる。肉にしっかりとした揚げ色がつくまで4分ほど揚げる。

表面に片栗粉を薄くまぶす
軸をつまんで持ちながら揚げ油の中にいれる
しっかりとした揚げ色がつくまで揚げる

5盛り付ける

粗熱が取れてから半分に切り分け、皿に盛り付ける。

半分に切り分ける
茎を半分にわけるようにすると、きれいに切れます。
完成
ぜひ揚げたての状態を食べてください。パクチーの香りと胡椒のスパイシーさ、カリフラワーの食感の良さに驚くこと間違いなしです!

文:植松良枝 写真:宮濱祐美子

植松 良枝

植松 良枝 (料理研究家)

四季に寄り添った食と暮らしを提案する料理研究家。菜園での野菜づくりがライフワーク。春夏秋冬それぞれの季節が極まり、次の季節の準備期間である「土用」を暦の中でも特に大切にしている。一児の母となり、忙しい日々の中で家族への想いも増してさらに深く土用を考えるようになった。