
旬を迎えたビーツでかわいらしい断面に仕上がるケイク・サレをつくりましょう。オーブンでじっくり火を通したビーツはほんのりと甘くて、ほくほくとした口あたり。12月のホームパーティーにぜひつくってみませんか?
煮ると甘く、ほんのりと土の香りがするビーツは、ビート、ビートルートとも呼ばれます。
和名だと火焔菜(かえんさい)。まるで火を吹いたかのような赤みを帯びた野菜ということなのでしょう。
江戸時代初期にはすでに日本に渡ってきたとされているので、新顔野菜のふりをして、実は日本人が古くから親しんできた野菜だったのかも?と妄想は膨らみます。

砂糖がまだまだ貴重だった江戸時代、甘味の強い野菜であるビーツは貴重な存在だったはず。
その頃はいったいどんな料理に使われていたのでしょう?とワクワクしましたが、ビーツは何度か日本に持ち込まれつつも、どうやら栽培野菜としては定着しなかったようです。当時は日本人になじみのない鮮やかすぎる色合いが敬遠されてしまったのかもしれませんね。

ビーツを使った最後のレシピは甘くない塩味のケーキ、ケイク・サレをつくりましょう。
冷めても温めてもほっこりとしたおいしさです。キッシュよりも手軽につくれて、野菜との相性はばっちり。
ビーツをちょっと大きいかな?と思うくらいの角切りにして生地に入れて焼き込むと断面がかわいらしく、同じく旬を迎えるブロッコリーとクリームチーズを加えると栄養バランス&色合いが抜群です。
ケイク・サレをつくるときのポイントは、溶きほぐした卵にオリーブオイルを加えて泡立て器でぐるぐると混ぜて乳化させてからほかの材料を混ぜていくこと。
特別な技術は必要ない焼きっぱなしのケーキです。
| ビーツ | 大1/2個 |
|---|---|
| 薄力粉 | 150g |
| ベーキングパウダー | 5g |
| ブロッコリー | 80g |
| 玉ねぎ | 1/2個 |
| ハム | 80g |
| 玉子 | 2個 |
| 牛乳 | 100ml |
| オリーブオイル | 50ml |
| クリームチーズ | 100g |

型の内側にオリーブオイルを塗り、薄力粉をうすくまぶす。薄力粉とベーキングパウダーは合わせて漉し器でふるっておく。オーブンを180度に予熱する。

耐熱皿に湿らせたキッチンペーパーを敷き、その上に皮を剥いて2cm角に切ったビーツを並べる。ラップでふんわりと覆って500wの電子レンジで2分加熱する。ブロッコリーは小房ごとに切り分ける。玉ねぎはうす切りにして、ハムと一緒に水分が出るまでフライパンでソテーする。



ボウルに卵、オリーブオイルを入れてホイッパーで白っぽくなるまで混ぜ合わせ、牛乳を加えてさらに混ぜ合わせる。ふるった薄力粉とベーキングパウダーを加えてさらに混ぜ合わせる。粉気がなくなったら玉ねぎ、ハムを加える。



生地の1/3の量を型に敷き詰め、ビーツ、ブロッコリー、クリームチーズの半量を散らす。その上から更に生地を流し込み、残りの具材を散らす。最後に生地を流し込む。


予熱したオーブンに型を入れて50分焼く。生地の中心に箸を刺して、抜いたときに生地がついてこなければオーブンから取り出す。粗熱が取れたら切り分けてでき上がり!


――つづく。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子