とうもろこしは捨てるところがない食材なんです。皮とひげ根からはとうもろこしの甘い香りがします。とうもろこしの皮とひげ根のおいしい活用術を料理研究家の植松良枝さんが披露します。
とうもろこしの皮、どうしていますか?
かさばるからとすぐに剥いてしまうことが多いですが、実と空気が触れないようにして、鮮度を保つという大切な役割を持っているんです。
鮮度抜群のとうもろこしを食べたければ、調理する直前に皮を剥くのが鉄則です!
剥いた皮は、捨ててしまう前にそっと香りを嗅いでみてください。甘い香りがほのかにしませんか?
皮は食べられるわけではないのですが、なんとか活用できないものかと頭を捻ってみました。
ふと、乾燥させたとうもろこしの皮を集めて籠をつくる記事を読んだことを想い出しました。2枚、3枚と重ねれば、ちょっとやそっとじゃ破れないほどの強度になるそうです。柔らかい実が成長するまでをしっかりと守るためのものなのですから、頑丈でないと困りますよね。
料理にも使えるのではないかな?
思いついたのが、とうもろこしの皮を蒸しパンの敷紙にすることです。
とうもろこしの皮を敷けば、見た目にも可愛いし、生地に香りが移るので敷紙には最適です!
蒸しパンの生地にはひげ根も入れましょう。とうもろこしのひげ根は一本一本が実に直結して、栄養分を送り届けています。ひげ根は実の延長のようなもの。食べない手はありません。
生地にひげ根を加えて蒸せば、とうもろこしの香りがグッと増します。東南アジアではココナッツミルクととうもろこしのひげ根を一緒に煮て、香りづけに使うことがあるそうですよ。
生地の甘味は、とうもろこしの味を活かすために控えめで素朴に感じる程度にしています。子供のおやつにはもちろん、簡単なおかずや牛乳と一緒に朝食にしたり、中華料理と一緒に並べ、点心としてもおすすめです。
ラップで包んで冷蔵庫で保存して、電子レンジや蒸し器で温め直せば4日~5日はおいしく食べられますよ!
とうもろこし | 1本 |
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とうもろこしの皮 | 適量 |
とうもろこしのひげ根 | 1本分 |
薄力粉 | 100g |
ベーキングパウダー | 小さじ1 |
卵 | 1個 |
牛乳 | 60ml |
きび砂糖 | 30g |
薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるいにかける。ひげ根は黒い部分を取り除き、1cmの長さに刻む。
とうもろこしの皮を2枚~3枚使って湯呑みなどのカップに十字に重ねて敷き詰める。
とうもろこしを半分の長さに切り分け、包丁で実をすべてはずす。
ボウルに卵を割り入れて、ホイッパーで溶きほぐす。牛乳ときび砂糖を加えて混ぜ合わせ、ふるいにかけた薄力粉とベーキングパウダーをすべて加える。粉気がなくなるまでホイッパーで混ぜ合わせたら、とうもろこしの2/3の量を加えてゴムベラで混ぜ合わせる。
とうもろこしの皮を敷いたカップに2の生地をスプーンなどですくい入れ、残りのとうもろこしを上から散らす。
蒸し器に水を入れ、タオルを巻いた蓋をして強火で沸かす。蒸し器から湯気が上がったら、3のカップを入れて強火で5分蒸した後、中弱火で12分蒸す。カップの中心に竹串などを刺して、生地がついてこなければ蒸し上がり。
生地の粗熱がとれたら、カップからはずしてでき上がり。
――つづく。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子