フルーツ牛乳は、銭湯で飲むものだと思っていませんか?とんでもない。フルーティな香りとマイルドな甘味が合わさった味わいは家でも楽しめます。キウイやイチゴといった身近な果物を使って、フルーツ牛乳をつくってみましょう!
全国津々浦々から10種類のフルーツ牛乳を集めた試飲会で、瓶で飲むおいしさを再確認。十本十色のフルーツ牛乳が、今も各地で愛されていたことはわかりました。
冷えた瓶でごくりと飲むフルーツ牛乳は格別においしい。
自分でつくることってできないのかな?ふと、試飲会にも参加したバー「TIGRATO」店主の高宮裕輔さんに訊いてみました。
「もちろんできます!」
おぉ。ぜひ、つくってもらえませんか!
数日後、高宮さんからは6種類のフルーツ牛乳のレシピが完成したという連絡が。
なんと、6種類とは!
それでは“キウイのフルーツ牛乳”からスタートです。
「フルーツ牛乳づくりのポイント。それは“フルーツを潰す”ということです」
高宮さんは最初に言いました。
わざわざ潰さなくても、ミキサーで牛乳と一緒に混ぜてはいけないんですか?
「ミキサーで撹拌すると、摩擦熱でフルーツの味わいや食感が損なわれてしまうんです。フルーツのフレッシュ感を活かすには、“潰す”というひと手間がとても大切なんです」
ふむふむ。フルーツ牛乳のおいしさは、フルーツの風味があってこそですもんね。潰すことの大切さを知りました。
「材料を潰すことをバーテンダーの用語では“マドリング”と言います。キウイのようなフレッシュな風味が特徴の果物は、マドリングして牛乳と合わせるだけで驚くほどフルーティな味わいになりますよ」
キウイ | 1個 |
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ガムシロップ | 15ml |
牛乳 | 60ml |
レモンジュース | 10ml |
皮を剥いて、カットしたキウイをグラスの中に入れ、形が無くなるまで棒で潰す。
シロップ、牛乳、レモンジュースをグラスに入れる。
牛乳が緑色になるまで、マドラーなどで混ぜ合わせる。氷を入れたらでき上がり。
「ふたつ目のフルーツ牛乳は、“大人のイチゴミルク”をイメージしてつくりました」
待ってました!フルーツ牛乳といえば、イチゴミルクですね!
でも、“大人の”って一体どういうことですか?
「イチゴと牛乳だけでなく、アールグレイも混ぜています。紅茶がフルーティな香りを引き立てて、甘さだけではなく、上品な酸味を感じる大人の味わいになるんです」
忘れてはいけないことが、と高宮さんは続けます。
「イチゴもミキサーを使わず、マドリングしましょう。果肉感とフレッシュな香りがしっかりと残ります」
イチゴ | 4個 |
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ガムシロップ | 15ml |
牛乳 | 45ml |
レモンジュース | 10ml |
アールグレイ | 40ml |
アールグレイ(適量)を淹れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。1人分40ml を使う。
へたを取ったイチゴをグラスに入れ、形がなくなるまで棒で潰す。
シロップ、牛乳、レモンジュース、アールグレイをグラスに入れる。
牛乳がピンク色になるまで、マドラーで混ぜ合わせる。氷を入れたらでき上がり。
1983年、東京都生まれ。高校生のときに観た、映画「カクテル」のトム・クルーズに憧れてバーテンダーという職を選ぶ。西麻布「Bar Lands End」、石神井「Bar au comptoir」を経て、2018年にカクテルとジェラートの店「TIGRATO」を四ツ谷にオープン。
――つづく。
文:河野大治朗 写真:馬場敬子 イラスト:tontam