心ふるえる酒2026
【酒よし肴よしの新名店 京都河原町「日本酒とお料理 お湯」】センスが光る京つまみでいい"湯かげん"のほっこり昼酒

【酒よし肴よしの新名店 京都河原町「日本酒とお料理 お湯」】センスが光る京つまみでいい"湯かげん"のほっこり昼酒

2026年日本酒dancyu「出会えてよかった!心ふるえる酒」特集では、選りすぐりの日本酒を、気の効いた料理と共に味わえる注目の新店をピックアップ。今回は京都河原町「日本酒とお料理 お湯」をご紹介します。

冷酒よりも、じんわり燗酒。優しいお燗と気の利いた京つまみに、身も心もほどける。

「お湯」という店名のイメージ通りの癒し系店主・岩間理恵さん。「燗酒で体の中から温まって、お湯に浸かるような幸せな心地になってほしくて」。開店は14時。明るい店内は、背徳の昼酒も「たまには、いいよね」と肯定するようにやわらかな雰囲気に満ちている。

岩間理恵さん
店主の岩間理恵さんは21歳で飲食のアルバイトを始め、京都「まんざら亭」へ。15年の勤務の間、調理師学校にも通った。2020年から福岡の居酒屋を手伝い、燗酒に開眼。
燗酒
「お酒の味をゆっくり膨らませるように」つけた優しい燗酒に定評がある。

日本酒は40種ほど揃い、そのうち冷酒はたった5種。「大地」「誉凱陣(ほまれがいじん)」など燗上がりする顔ぶれが、カウンターの端に並ぶ。

燗向きの酒
燗向きの酒は「軽めから、おじいちゃんが好きそうなどっしり系まで」揃う。「久米桜pensée(パンジー)」や「三毳山(みかもやま)」も。すべて半合715円、一合1,375円。
カウンター
カウンターの真ん中には酒燗器。両端には常温の酒がずらりと並ぶ。

お造りから土鍋ご飯まで連なる品書きの中から、7種を選んだおつまみ盛り合わせは、ぜひ注文を。「これで3杯くらい飲んでもらえたら」と岩間さん。

イリコトマト煮はパクチー風味のピリ辛で、ポテサラはゴルゴンゾーラ入り。燗酒を所望したら「十旭日(じゅうじあさひ) 純米吟醸」が55℃で出てきた。吟醸香がハーブと渡り合い、シャープなキレが青かびチーズの余韻を断って、ご機嫌な相性だ。

おつまみ盛り合わせ
手前から、にしんなす、イリコトマト煮、「近江の星さんち」の手づくりもろみ納豆、菊菜のおひたし、いちごと黒豆の白和え、近江こんにゃくのたいたん。真ん中がナッツとゴルゴンゾーラのポテサラ。大半のお客が注文するという看板の一品。1,650円。
“具だくさんのおから”
鶏もも肉に椎茸、にんじん、こんにゃく、ちくわに九条ねぎがたっぷりの“具だくさんのおから”。白だしを含んだおからは、しっとり優しい京の味。550円。
“豚なんこつ煮込み”
福岡で覚えたという、ポン酢で味わう“豚なんこつ煮込み”。下ゆでしてから、だしでじっくり炊いて、とろとろに。605円。

岩間さんは京都の人気酒場「まんざら亭」に計15年勤め、料亭出身の先輩の下で腕を磨いた。友達の居酒屋を手伝うために向かった福岡で、燗推しの酒場に出会い、酒の味が膨らむ温度があると知ったという。

燗酒をつける岩間さん
お湯に浸かるみたいに燗酒で温まってほしい。

京都に戻り、店を開いたのは2024年9月。「酒が火傷しないように、ゆっくり温める」心がけで、岩間さんの燗つけの腕は開店以来みるみる上達。優しいお燗に身も心もほぐされた常連が帰り際、口を揃えて言う。「今日も、いいお湯でした!」。

店舗情報店舗情報

日本酒とお料理 お湯
  • 【住所】京都府京都市下京区河原町通松原上る清水町282
  • 【電話番号】080‐4242‐3429
  • 【営業時間】14:00~21:00(L.O.)
  • 【定休日】月曜 他に不定休あり
  • 【アクセス】阪急京都線「京都河原町駅」より7分、京阪本線「清水五条駅」より8分
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A4変型判(160頁)
2026年2月5日発売/1,800円(税込)

文:中本由美子 撮影:東谷幸一

中本 由美子

中本 由美子 (編集者・ライター)

関西を中心に活動する編集者・ライター。関西の食雑誌『あまから手帖』、和食専門WEBマガジン「WA・TO・ BI─和食の扉─」編集長を経て、2025年に独立。和食&日本酒党。

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