私の行きつけ~住む町の旨い店案内~
【知りたい、軽井沢エリアの行きつけ⑥】オリジナリティーが炸裂する!小諸駅前の中華ビストロ『ビストロTAICHI』〜アマゾンカカオ・太田哲雄さんの紹介

【知りたい、軽井沢エリアの行きつけ⑥】オリジナリティーが炸裂する!小諸駅前の中華ビストロ『ビストロTAICHI』〜アマゾンカカオ・太田哲雄さんの紹介

その町の住人が長く通う店こそ、愛される名店に違いない。dancyu2026年夏号では、「ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ」や「マードレ」を営み、アマゾンカカオを使った料理やスイーツが大人気の太田哲雄さんに軽井沢エリアのとっておきを案内してもらいました。

軽井沢駅からしなの鉄道で20分ほどの小諸駅周辺は太田さんが注目するエリア。
「以前はシャッター街で心配になるほどでしたが、ここ数年、おしゃれな店が増えているんです」(太田さん)

2年前にオープンした「中華ビストロTAICHI」はその一軒だ。店主の佐野太一さんは東京や横浜で修業後、軽井沢のハルニレテラスにある「希須林」で15年にわたり腕を振るってきた。満を持して開いたこの店では中華の基本は守りながらも、「お酒と一緒に気軽に楽しめる料理を出したい」と独創的なアレンジがされている。よく知る料理でも驚きがあって、これがなんとも楽しいのだ。

「中華ビストロTAICHI」外観
小諸の駅前通りに位置する店は急ぎ足なら電車を降りて1分の近さ。
客席
リノベーションで一新した店内にはキッチンを前にしたカウンター席があり、ライブ感も満喫できる。ランチも1,000円〜とリーズナブルだ。
かめ出し紹興酒
「誰もが知る中華料理を一旦バラして、必要なものだけを残していかにおいしく調理するかを考えています」と佐野さん。かめ出し紹興酒はグラス680円。酒は白酒やジンなど幅広くラインアップ。

好例はレバニラ炒め。食材はレバーとニラに絞り込み、別々に火を入れてフレンチのような盛り付けがなされている。炒め合わせてないからレバーのピュアな旨味とニラの柔らかさや甘味が鮮明になり、これぞレバニラ!と膝を打ちたくなる。
酢豚にしても豚肉と蓮根のみという潔さ。クミンを合わせるのは異色だが、オリエンタルな香りが無性に酒を呼ぶから堪らない。〆に人気の土鍋の麻婆豆腐もしかりで、骨太ながらも青山椒の香りが清々しい。

レバニラ
太一のレバニラ1,100円は色彩も艶やか。黒胡椒のシャープな辛さが味を引き締める。
クミン酢豚
柔らかく繊細な蓼科豚を使ったクミン酢豚1,200円。蓮根の歯応えが合いの手に絶妙だ。
土鍋麻婆豆腐
土鍋麻婆豆腐1,100円。木綿豆腐は松本から取り寄せ、崩し気味にするのがTAICHI流。濃厚でコクがあり、白飯が止まらなくなる。

「どの料理も油を無用に使わず、きれいな味に仕上げているし、価格も手頃だから1人でも行きやすい。独自の世界観が打ち出されているところにも惹かれますね」と太田さん。
軽井沢に泊まって夜は小諸の中華ビストロで一杯。そんな過ごし方が増えていきそうだ。

黒板
壁に掛かる黒板にはオリジナルの料理がズラリ。目移り必至だ。

案内する人

「ラ・カーサ・ディ・テツオ・オオタ」オーナーシェフ 太田哲雄さん

「ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ」オーナーシェフ 太田哲雄さん

長野県白馬村生まれ。イタリア、スペイン、ペルーで通算10年以上の経験を積む。2019年から軽井沢に拠点を構え、レストランのほか食堂兼売店「マードレ」を運営。アマゾンで出合ったカカオの普及にも力を注ぎ、自身でも多彩なスイーツを開発。

店舗情報店舗情報

中華ビストロ TAICHI
  • 【住所】長野県小諸市相生町1-2-12
  • 【電話番号】070-6976-0210
  • 【営業時間】11:30〜14:00(L.O.) 17:30〜21:30(L.O.)
  • 【定休日】水曜 木曜 不定休あり
  • 【アクセス】JR・しなの鉄道「小諸駅」より2分

文:上島寿子 写真:鈴木泰介

上島 寿子

上島 寿子 (文筆家)

東京生まれで、銀座の泰明小学校出身。実家がビフテキ屋だったため、幼少期から食い意地は人一倍。洋酒メーカー、週刊誌の記者を経て、フリーに。dancyuをはじめ雑誌を中心に執筆しています。